2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540064
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小池 寿俊 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (20225337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 紀代市 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (90034727)
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Keywords | 環論 / 森田双対 |
Research Abstract |
本研究の目的は、森田双対性をもつアルチン環の研究である。特に「すべてのexact(アルチン)環は自己双対性をもつであろう」という東屋の予想や、その特別な場合である「すべての局所分配的環は自己双対性をもつであろう」という問題の解決に寄与することである。 1年目と2年目は、exact環と密接な関係がある、森田双対であるような2つの環の拡大環の森田双対性とそれらの対応について研究し、「2つの基本的環A、Bが森田双対であれば、Aの有限三角(正規)拡大環はBの有限三角(正規)拡大環と森田双対である」という結果を得た。特に、基本的環Aが自己双対性をもてば、Aの有限三角(正規)拡大はAの有限三角(正規)拡大と森田双対であることが分かった。これらの結果は、2012年度日本数学会秋季総合分科会において発表し、論文"Morita duality and ring extensions"として、学術雑誌Journal of Algebra and Its applicationsに掲載された。 3年目の最終年度は、exact環の典型である斜体上の有限三角拡大の自己双対性について、拡大次元が小さい場合を中心に研究を行った。この問題意識の背景として、斜体上の有限正規拡大(有限三角拡大の特別な場合)の自己双対性については、Kraemerによって肯定的に示されていることがある。このような斜体上の有限三角拡大の自己双対性は、斜体の自己同型写像とそれに関する微分の問題に帰着される。東屋の予想の観点からは、自己同型写像や微分に関する制約条件無しに、自己双対性の存在が証明できるのが望ましいが、今年度はいくつかの条件をつけた上で、有限三角拡大環の自己双対性を証明することができた。研究成果を学術論文としてまとめるため、現在準備中である。
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