2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540067
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三上 健太郎 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70006592)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | シンプレクティック / ポアソン / コホモロジー群 / ゲフファント・フックス / 表現論 / 同変運動量写像 |
Research Abstract |
無限次元リー環のゲルファント・フックスコホモロジー群の研究を, シンプレクティック多様体のハミルトンベクトル場の成す無限次元リー環のシンプレクティック同変・双対ゲルファント・フックスコホモロジー群やポアソン多様体のハミルトンベクトル場の成す無限次元リー環のシンプレクティック同変・双対ゲルファント・フックスコホモロジー群に対し詳細に調べることが本研究の目的である。 森田茂之氏とD.Kotschick は彼らの論文``The Gel'fand-Kalinin-Fuks class and characteristic classes of transversely symplectic foliations, arXive October 2009'' の中で, シンプレクティックベクトル空間の場合にウエイトという概念を導入し有限次元の部分鎖体に分解出来ることを示した。 彼らのシンプレクティックベクトル空間の場合の仕事を詳細に検討し, 同変運動量写像の存在を活用して斜交群の表現論との強い結びつきと詳細な関係を調べた。2次元シンプレクティックベクトル空間の場合に, 森田茂之氏とD.Kotschick のウエイト10までのシンプレクティック双対ゲルファント・フックスコホモロジー群が, 上記の三上による考察により, ウエイト18までのシンプレクティック同変ゲルファント・フックスコホモロジー群の詳細が得られた。 この結果は, 2011年12月の日本学術振興会支援の「日本・ベルギー交換プログラム」による Universite Catholique de Louvain (at Belgium) で ``Gel'fand-Fuks cohomology goups of Hamiltonian vector fields'' とのタイトルで50分間講演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2次元シンプレクティックベクトル空間の場合に, 森田茂之氏とD.Kotschick のウエイト10までのシンプレクティック双対ゲルファント・フックスコホモロジー群が, 上記の三上による考察により, ウエイト18までのシンプレクティック同変ゲルファント・フックスコホモロジー群の詳細が得られた。 この結果は, 2011年12月の日本学術振興会支援の「二国間交流亊業共同研究」「変形量子化による非可換幾何学の研究とその物理学への応用」(課題番:YN1007-078042)との「日本・ベルギー交換プログラム」による Universite Catholique de Louvain (at Belgium) で ``Gel'fand-Fuks cohomology groups of Hamiltonian vector fields'' とのタイトルで50分間講演した。 本研究の特色はポアソン幾何学(シンプレクティック幾何学を含む)・(無限次元)リー環論・表現論の3分野からの貢献を得てゲルファント・フックスコホモロジー群を調べることにある。2次元シンプレクティックベクトル空間の形式的ハミルトンベクトル場の成すリー環のゲルファント・フックスコホモロジー群については, 計算アルゴリズムの大幅な改良により大きな前進を見た。 然るに, 4次元シンプレクティックベクトル空間の場合, 表現論自体が複雑(例えば既約表現のテンソル積の既約分解を得ようとするとリトルウッド・リチャードソン規則に依らなければならず、更に特殊化ルールによる例外処理も必要)となっている。その為2次元の場合のような貢献を期待出来ない現状である。更なる考察と工夫の必要性を痛感している。~
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Strategy for Future Research Activity |
これまで, 計算アルゴリズムの大幅な改良により, オイラー特性数(Euler characteristic number) は ウエイト 50 までも得ることが出来た。これら一連の仕事は ``Higher weight Gel'fand-Kalinin-Fuks classes of formal Hamiltonian vector fields of symplectic plain'' との仮題で投稿準備中である。 今後は, ウエイト 50 を含む広い範囲でベッチ数を確定することと, 4次元シンプレクティックベクトル空間への挑戦を準備中である。 本研究の特色はポアソン幾何学(シンプレクティック幾何学を含む)・(無限次元)リー環論・表現論の3分野からの貢献を得てゲルファント・フックスコホモロジー群を調べることにある。2次元シンプレクティックベクトル空間の形式的ハミルトンベクトル場の成すリー環のゲルファント・フックスコホモロジー群については, 計算アルゴリズムの大幅な改良により大きな前進を見たが、4次元シンプレクティックベクトル空間の場合, 表現論自体が複雑(例えば既約表現のテンソル積の既約分解を得ようとするとリトルウッド・リチャードソン規則に依らなければならず、更に特殊化ルールによる例外処理も必要)となっている。その為2次元の場合のような貢献を期待出来ない現状である。更なる考察と工夫の必要性を痛感している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次の二つの理由で外国出張旅費を予定どおり使用できなかった。 1)ある独立行政法人の委員に就任したことで外国出張の時間が十分取れなかったこと。 2)唯一の外国出張 Universite Catholique de Louvain (at Belgium) 行きが、日本学術振興会の「二国間交流亊業共同研究」「変形量子化による非可換幾何学の研究とその物理学への応用」(研究代表者・慶應義塾大学教授・前田吉昭氏・課題番号:YN1007-078042)からの援助であった。 次年度は2012年7月下旬のユトレヒト(オランダ)での「Poisson 2012」に参加するなど研究連絡や成果発表を活発に行う予定である。
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