2013 Fiscal Year Annual Research Report
リンクが有理ホモロジー球面であるような複素2次元特異点の研究
Project/Area Number |
23540068
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
奥間 智弘 山形大学, 理学部, 教授 (00300533)
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Keywords | 2次元正規特異点 / 擬斉次特異点 / good ideal |
Research Abstract |
本研究では,リンクが有理ホモロジー球面になるような複素2次元特異点を中心に,解析的不変量を求めることを目的としていた. 前年度に擬斉次特異点の最小良特異点解消空間の接層の第1次コホモロジーの次元特異点解消グラフで計算できることを確かめた.本年度はそれを整理し,リンクのザイフェルト不変量から直接的に計算できるよう表現し,他の不変量と関係も示した.以上の結果を論文にまとめて投稿した.この不変量は変形論にも関係し重要であるが,一般には求めるのが困難である.得られた結果は計算例を提供するとともに一般の特異点の場合への足掛かりになると思われる. 一方,リンクが有理ホモロジー球面であるという仮定なしに特異点の局所環の good ideal について日本大学の渡辺氏と吉田氏と共同研究を行った.Good ideal は可換環論における概念であり,パラメータイデアルの次に良いイデアルといえる.しかしながら,一般の特異点についてその存在性さえもわかっていない.我々は Gorenstein 特異点と有理型特異点に場合に good ideal の存在定理を証明した.さらに,有理型特異点の good ideal は最小特異点解消上のネフサイクルに対応することも分かった.特に,good ideal の集合が半群になることが従う.また,この研究の過程で pg-ideal と名付けた良い性質を持つイデアルの研究も行った.Pg-ideal がさらにある条件を持たすと good ideal になることが期待される.これらの研究が進めば good ideal を用いた特異点の研究も可能になると思われる.
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