2011 Fiscal Year Research-status Report
ストリング絡み目のCnコボルダント分類に関する研究
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23540074
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
安原 晃 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60256625)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ストリング絡み目 / ミルナー不変量 / Cn-move / コボルダント |
Research Abstract |
本研究課題では、ストリング絡み目の集合に対しCn-コボルダントという新たな同値関係を導入し、その分類問題を研究する。特に、以下の予想の解決を目標として研究を進める。[予想]各成分が自明なストリング絡み目がCn-コボルダント同値である為の必要十分条件は、長さn+1以下のミルナー不変量が一致することである。 ここで「各成分が自明」という条件は、主張を簡易化するための条件であり、本質的ではない。実際この予想が肯定的に解決できれば、この条件が無い場合の分類も得られる事がわかっている。ストリング絡み目の Cn-コボルダント分類は、一般にnが大きくなるほど、分類が細かくなり、問題が飛躍的に難しくなることも知られている。研究代表者とMeilhanの共同研究によって、nが6以下の場合は解決済みなので、nが7以上の場合を研究すれば十分であることがわかる。上述の予想を肯定的に解決することが理想であるが、まずは未解決でかつ1番やさしいところから取り掛かる事にする。予想は2種類の変数を含んでいる。一方は、Cn-コボルダントの「n」であり、他方はストリング絡み目の成分数(これを「m」とする)である。これまでの研究により、(m,n)=(1,任意のn)、(m,6以下のn)の場合は解決済みなので、これに続くのは(m,n)=(2,7)の場合である。本年度は、(2,7),(2,8)の場合に限定し研究を行い、次の結果を得た。 [定理]2成分のストリング絡み目がCn-コボルダントである為の必要十分条件は、位数n-1以下の有限型コボルディズム不変量が一致することである。 有限型コボルディズム不変量とミルナー不変量は、ある種の条件下では一致することが知られているので、この結果は、本年度の目標と極めて近い結果であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究計画書に記載した通りの研究を行った。完全とは言えないまでも、ほぼ目標通りの結果を得ることに成功した。わずかに遅れてはいるが、十分満足のいく結果であるので、おおむね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に達成できなかった研究が少し残っているので、そのやり残しを早々に完了させ、次年度の研究につなげたい。この為、研究計画の若干の修正は必要なものの、おおむね研究計画通りで問題ない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度と同じく研究交流の為の出張・招聘が研究費の大半を占める。以下に主な出張・招聘の予定を記載する。23年度に予定していた備品の購入を、大学の校費で賄えた為、30万程度の繰越金が生じた。この分は、グルノーブル大学のメイヨン氏の招聘にあてる予定である。(1)グルノーブル(フランス)に出張しグルノーブル第1大学のMeilhan氏と研究交流を行う.(平成24年5月) (2)ワシントンDCに出張し、ジョージワシントン大学のPryzytycki氏及び同氏の研究グループとの研究交流を行う。(3)大阪工業大学の渋谷氏,塚本氏と研究交流を行う.(年度の前半,後半に各1回)(4)グルノーブル大学のメイヨン氏を招へいし、研究交流を行う。(25年3月)
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Research Products
(3 results)