2012 Fiscal Year Research-status Report
ストリング絡み目のCnコボルダント分類に関する研究
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23540074
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
安原 晃 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60256625)
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Keywords | ストリング絡み目 / コボルダント / Cn-move / ミルナー不変量 |
Research Abstract |
本研究課題では、ストリング絡み目の集合に対し、Cn-コボルダントという新たな同値関係を導入し、その分類問題を研究する。その為,以下の予想をたてて研究を進めてきた。 [予想]各成分が自明なストリング絡み目がCn-コボルダント同値である為の必要十分条件は、長さn+1以下のミルナー不変量が一致することである。 ここで「各成分が自明」という条件は、主張を簡易化するための条件であり、本質的ではない。ストリング絡み目の Cn-コボルダント分類は、一般にnが大きくなるほど、分類が細かくなり、問題が飛躍的に難しくなることも知られている。研究代表者とMeilhanの共同研究によって、nが6以下の場合は解決済みなので、nが7以上の場合を研究すれば十分であることがわかる。予想は2種類の変数を含んでいる。一方は、Cn-コボルダントの「n」であり、他方はストリング絡み目の成分数(これを「m」とする)である。(m,n)=(1,任意のn)、(m,6以下のn)の場合はすでに分かっていたので,(2,7)、(2,8)の場合に限定し研究を行い、昨年度は「2成分のストリング絡み目がCn-コボルダントである為の必要十分条件は、位数n-1以下の有限型コボルディズム不変量が一致することである」という結果を得た。有限型コボルディズム不変量とミルナー不変量は、ある種の条件下では一致することが知られている。今年度はこの結果を(2,9以上のn)に拡張ずることを試みた結果、n=8の場合がクリティカルであり,まずは次の問題を解決することが重要であることが明らかになった. [問題]2成分ストリング絡み目のCn-コボルダント類からなる群(Cn-コボルダント群)が可換になる為の必要十分条件を求めよ。 今後は,この問題を解決することを新たな目標に据えて研究を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、研究計画書に記載した通りの研究を行ったが、期待していた通りの結果を得ることができなかった。本年度の研究で得られた結果を加味し,新たな目標を設定することで研究の軌道修正をした。その為,若干の遅れが生じたが,今回設定した研究目標が達成できれば,おおむね満足のいく結果が得られると確信する.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、以下の問題の解決を新たな目的に据えて研究を進める。 [問題]m成分ストリング絡み目のCn-コボルダント類からなる群(Cn-コボルダント群)が可換になる為の必要十分条件を求めよ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は,都合により海外への出張を1回取りやめた.次年度は,本来の計画に加え海外出張を1回増やす予定である.
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Research Products
(4 results)