2011 Fiscal Year Research-status Report
正則写像のなす空間の位相と実特異点論のホモトピー論への応用の研究
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23540079
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山口 耕平 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00175655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 雅成 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20272057)
大野 真裕 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70277820)
山田 裕一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30303019)
島川 和久 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70109081)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 実代数的多様体 / 実代数的ベクトル束 / ホモトピー型 / グラスマン多様体 / 射影空間 / knot / 手術 / derived category |
Research Abstract |
(i) 実代数的多様体 Xから, (実あるいは複素)グラスマン多様体への任意の連続写像は、X上の任意のベクトル束が、実代数的ベクトル束で近似できるときには、任意のXからグラスマン多様体への連続写像は代数的写像(多項式で教示できる写像)でホモトピー敵には近似できることが、ベクトル束上のStone-Weierstrass 型定理を利用して示される。この結果の拡張としてm, n が 1<m<nを満たす正の整数のとき, m次元実射影空間から、n次元実射影空間への連続写像全体の空間は、その間の代数的写像全体のなす部分空間で近似できることを以前証明した。このとき、多項式の次元によって代数的写像全体の成す部分空間にはフィルトレーションがはいる。このフィルトレーションデホモトピー型がどの程度近似できるかを調べた。とくに、本年はその近似次元の最良値と思われる次元を決定することが、Truncated simpllical resolutionを利用して成功した。さらにこの結果の類似が実射影空間から複素射影空間への連続写像全体の成す空間に対しても成り立つことも示すことができた。この結果は、同変ホモトピー型への応用でき、その場合の近似次元も求めることができた。ただその次元が成立すには、テクニカル的な条件がつく。今後はその条件をはずすことが課題である。(ii)異なるknotから同じレンズ空間が生じる手術(surgery)の組を研究し、そこから構成される4次元多様体を考察した。基礎的な組については分析を完成することができた。その結果はpreprintに執筆し講演も行った。(iii)Derived categoryの研究を代数幾何学的側面より研究した。とくに、非特異射影的代数的多様体の有界なderived categoryについて考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初に考えていたAtiyah-Jones型定理の基本課題を解くことができ、その論文を Quart. J. Math. に、2012年初めに発行することができた。さらに, その結果の安定次元のより良い近似を2011年度夏頃、計算することができQuart. J. Math. の結果の拡張に成功した。また、それに関するプレプリントとその同変ホモトピー論への応用の論文2編を執筆し投稿することができた。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
(i) 引き続き実代数的多様体からグラスマン多様体への実代数的写像全体のなす空間のホモトピー型を、実特異点論をホモトピー論へ応用することを追求する。(ii) 現在、共同研究者のA. Kozlowski氏が、海外(Poland, Warsaw大学)にいるため、skypeと電子メール等により共同研究している。残念ながら、このところ、大学の業務多忙のため研究成果を直接会って議論する時間がとれない。2012年度は無理だが、来年夏には、ポーランドの研究集会に参加して共同研究のための研究連絡をする予定である。(iii) 今まで得られたAtiyah-Jones型定理の同変ホモトピー型への拡張を今後試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(i) 研究代表者は、110万円のうち50万円を使用して、平成23年度に継続して実代数的多様体の間の代数的写像空間のホモトピー型の研究に集中する。とくに、共同研究者のAndrzej Kozlowski教授がポーランド(ワルシャワ大学)にいるため、skypeやWeb等によって遠隔地間で、研究成果のやりとりとコミュニケーションを取らねばならない。そのためのサーバー機器がらみの機器購入とノートパソコンに研究費の60%程度は使用する。残り30%は研究連絡と研究集会出席の旅費に使用することを予定している。(ii) 各研究分担者の場合は、ほとんどの分担金は研究連絡や研究集会の出席と資料収集のための旅費に使用されるはずである。
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