2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540088
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山下 靖 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (70239987)
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Keywords | 双曲幾何学 / 指標多様体 |
Research Abstract |
階数nの自由群FnからSL(2,C)への表現全体の空間には、SL(2,C)の元が共役により作用する。表現空間をこの共役作用に関する幾何学的不変式論の意味での商は指標多様体と呼ばれ、現在活発に研究が行われている。特にこの空間には自由群Fnの外部自己同型群が自然に作用する。この作用について、幾何及び力学系の観点から理解を深めるのが、本研究課題の目的である。特に階数nが2のとき、Bowditchにより与えられた指標多様体の元に関する条件には、対応する表現の像から得られるメビウス変換群の離散性との関連が予想されるが、現時点では不明な点が多い。 本研究代表者は、この(1)Bowditchによる条件、(2)像の離散性、(3)対応する力学系の複雑さ、の3者の関連について、研究を行った。 最終年度に実施した研究の成果について述べる。任意の閉3次元多様体は3次元球面の分岐被覆として得られることは古典的によく知られている。特に分岐点の集合として、双曲絡み目をとることが可能である。そこで、閉3次元多様体の複雑さの指標の一つとして、絡み目体積という不変量を米国アーカンソー大学のヨアフリエック氏と共同研究にて定義し、その基本的な性質を調べた。さらに、この結果査を読付き論文として発表した。 また、シンガポール大学のタン氏と英国ウォーリック大学のシリーズ氏と共同研究を進め、階数2の自由群の指標多様体の特定の部分集合(一般化されたライリースライス)の幾何構造の研究を推進した。
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