2012 Fiscal Year Research-status Report
マグネティックグラフ多項式から探る結び目の幾何構造
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23540092
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮澤 康行 山口大学, 理工学研究科, 教授 (60263761)
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Keywords | 結び目 / 絡み目 / HOMFLY多項式 |
Research Abstract |
今年度は論文1編(印刷中),学会発表3件の研究成果発表を行った。 論文「A fake HOMFLY polynomial of a knot」では,結び目のHOMFLY多項式に対し,類似の概念を導入,定式化し,その類似性について与えられた結び目のHOMFLY多項式と類似した多項式をHOMFLY多項式として持つ結び目の実現問題を考察し,具体的に条件を満たす結び目を構成することで問題の解決を果たした。 口頭発表3件はいずれも国内で開催された会議における講演であり,そのうち1件は招待講演である。発表内容はいずれも絡み目のHOMFLY多項式の構造に関するものである。絡み目のHOMFLY多項式がその絡み目のJones多項式によってどの程度制限を受ける(決定される)かという問題に対し,HOMFLY多項式の変数の次数に条件を加えた場合について考察し,得られた結果について報告を行ったものである。 発表「Knots with v-span 4 and their HOMFLY polynomials」では,成分数が1,即ち,結び目のHOMFLY多項式を研究対象とし,ある1つの場合を除いてはJones多項式がHOMFLY多項式を決定することを示した。除外したケースの可否については未だ結論を得るまでには至っていない。発表「On admissible HOMFLY polynomials for knots」はこの研究に関連する話題について言及したものである。 発表「HOMFLY polynomials for 3-component links with braid index 3」では,3成分の絡み目について上記発表と同様の研究を行い,すべての対象となる絡み目についてHOMFLY多項式がJones多項式によって完全に決定されることを突き止めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は代表者が所属機関の特別な委員等を兼務したため研究以外の業務に忙殺され研究に充てる時間が少なかったが,今年度は委員等の激務もなく,十分な研究時間を確保でき,さらに別記に記載のとおり少なからず研究成果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の遅れは今年度で解消されたと考えられるため,次年度以降は当初の研究計画通り研究を推し進め,十分な成果があげられるよう努めることが現時点での最も的確な方策であると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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