2011 Fiscal Year Research-status Report
境界CR構造によるトーリック特異点のモジュライ空間の研究
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23540099
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (40107850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與倉 昭治 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (60182680)
愛甲 正 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (00192831)
小櫃 邦夫 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (00325763)
赤堀 隆夫 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (40117560)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | CR構造 / モジュライ / 特異点 |
Research Abstract |
本研究は、孤立特異点の変形を境界構造の変形を通じて把握する事を特徴としており、これまでに確立している一般的枠組みの下で、特異点の個別性に基づいた詳細なモジュライ空間の構造を捉えることを目的としている。次の(i)-(iii)が当面の課題である。(i)トーリック特異点のモジュライ空間を境界CR構造の変形によって記述すること。(ii)トーリック特異点の特異点解消の変形空間を境界CR構造の変形によって記述すること。(iii)巡回商特異点のArtin変形の持つ M.Hamm-O.Riemenschneider 双対性を境界CR構造によって記述すること。H23年度は、次の研究を行った。(1)トーリック特異点の境界CR構造の変形空間について考察を進めた。特に、典型例としてのA(n,1)-特異点の場合に、境界CR構造の変形の球調和関数表示を得て、それからのStein fillingについて考察した。(2) 同時に、M.Hamm-O.Riemenschneider 双対性を境界CR構造の変形の球調和関数表示とその filling の観点から考察した。また、分担者によって以下の研究が行われた。(3) 実接触構造を固定したCR構造のモジュライ空間の構成を行い、versal族の完備性がCR-Hamilton流によってもたらされることが示された。(4) 更に、(モジュライ空間構成法のモデルとしての)複素構造の変形の場合における倉西構成を『接続』の観点から整備し直した。 これらの研究の進展とそれに関連する研究との交流のために、以下の研究集会の開催に協力した。(a) 第4回日豪特異点研究集会(2011.11.22-25、兵庫教育大学神戸サテライト講義室)、(b) 研究集会「接触構造・特異点・微分方程式およびその周辺」(2012.1.19-21、鹿児島大学理学部)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の特徴は、代数幾何学的観点からとらえられてきた孤立特異点のモジュライを境界CR構造の変形によって表現するというところにある。したがって、研究の前半では、孤立特異点の変形の代数幾何学的観点からの研究を正確に把握することとCR構造の変形の記述を確立することが中心となる。その際に、巡回商特異点の変形はその典型例としての意味を持つ。H23年度の研究では、(1) 孤立特異点の変形の代数幾何学的観点からの把握のための考察と研究交流を行い、(2) 典型例についての考察、(3) 境界CR構造のモジュライ空間の記述の改良を行った。したがって、本研究の目標に向かって「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
目標は、9.研究の実績の概要に記述した課題(i), (ii)を念頭におきながら、A(n,1)-特異点の場合の考察をトーリック特異点へと一般化することである。また、その一環として、課題(iii)の解決を目指す。そのための方策として:(1) 孤立特異点の変形に関しての、位相幾何や代数幾何的手法による研究との結びつきを良くする為に、実シンプレクティック幾何や実接触幾何との関連に重点をおいて考察を進める。そのために「接触構造研究会」と連携を取りながら研究を進める。また、CR構造をテーマの1つとしている「日豪特異点シンポジウム」や「多変数関数論グループ」とも連携を取りながら研究を進める。(2) 課題(iii)をトーリック特異点の変形の観点と境界構造の両面から捉えるために、O. Rimenschneider 教授と連携を取りながら研究を進める。(3) モジュライ空間構成に関する倉西手法は、位相幾何・代数幾何・シンプレクティック幾何・接触幾何・CR幾何・複素幾何に共通する一般性を持った手法である。倉西手法の検討・改良を引き続き行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、主として旅費に使用する.(1) 連携する研究グループや研究会でのディスカッション:接触幾何研究会、多変数関数論葉山シンポジウム、多変数関数論冬セミナー、など。(2) 学会においての研究動向の把握:日本数学会、幾何学シンポジウム、など。(3) 専門家を招聘してのディスカッション:O. Riemenschneider 教授(Hamburg大学名誉教授、独)、など。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Fiberwise bordism groups2011
Author(s)
Shoji Yokura
Organizer
International Conference "SINGULARITY THEORY CONFERENCE"(招待講演)
Place of Presentation
Univ. of Sci. and Tech. of China Hefei, 中国
Year and Date
2011.7.27
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