2014 Fiscal Year Research-status Report
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23540100
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
山崎 薫里 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (80301076)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 内挿定理 / 順序位相ベクトル空間 / 順序線形位相空間 / 順序ベクトル空間 / 内点 |
Outline of Annual Research Achievements |
連続関数族の拡張作用素の研究は、関数の内挿定理と密接に関係がある。特に、関数族の終域としてどのような空間を設定しどのような構造を持たせるのかという点は、基本的であるが未解決な部分が多い。終域がバナッハ空間のような完備性を備えているとは限らない場合には、よく知られた関数の連続選択理論や内挿定理の恩恵が殆ど受けられない状況である。このため、実数のもつ自然な構造をどのように取り出し一般化することが適当であるのか、という枠組みの構築は課題となっていた。25年度にKatetov-Tongの内挿定理の終域をある種のリース空間に拡張する結果を得たが、26年度はリース空間にあるような束構造を持たないベクトル空間を扱う研究を行った。 Katetov-Tongの内挿定理と並び重要な古典的結果として、Dowker-Katetovの内挿定理が知られている。本年度、正錐が内点をもつような順序位相ベクトル空間へのDowker-Katetovタイプの内挿定理が成立することを示した。証明のために、1.関数を挿入するという操作を、定義域の各点における像の「内点」から点を選ぶと捉え、かつ、2.終域の実数全体の集合を(拡張実数の順序ベクトル版である)拡張順序ベクトル空間へと広げる、ことを試みた。これらの準備のもと、終域の拡張順序ベクトル空間に適切な位相を導入することで、Borwein-Theraの1992年の論文中にある半連続関数を再定義した。このことは、位相空間論ではよくみられる「よい空間に埋め込む操作」に当たり、挿入範囲に上限や下限がない場合にも対応できる利点が生まれ、今後の拡張作用素の研究に応用が期待できる。得られた結果は論文としてまとめ、10月に数理解析研究所で講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的につながることが期待できる結果を得て、論文を作成した。また、研究集会で得られた結果の講演を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
順序構造と位相構造の関係について理解を深め、得られた結果の応用や改良を試みたい。
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Causes of Carryover |
出張予定であった研究集会に参加できなかったため。また、購入予定であった書籍が在庫切れであったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要な洋書の購入に当てたい。
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Research Products
(2 results)