2012 Fiscal Year Research-status Report
群作用の軌道構造を保つ同変写像の存在問題および分類問題の研究
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23540101
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長崎 生光 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 智博 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20234023)
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Keywords | 変換群 / 同変トポロジー / 等変写像 / Borsuk-Ulamの定理 / Borsuk-Ulam群 / 順序極小構造 / 定義可能集合 |
Research Abstract |
研究代表者の長崎は群作用の軌道構造を保つ同変写像すなわち等変写像について等変写像の分類問題の研究を行うことが一つの目的であった. そのために前年度から研究を進めていた存在・非存在問題を等変Borsuk-Ulam型の定理として定式化して,いくつかの結果を得たが,24年度にはその結果をさらに発展させることができ,等変Borsuk-Ulam型定理が成り立つ有限群であるBorsuk-Ulam群のいくつかの族を発見した.特に有限群Gの2-Sylow部分群が巡回群,2面体群,一般4元数群であるものは,Borsuk-Ulam群であることを示した.次に等変写像の分類問題へ多重写像度を用いて分類問題にアプローチした.24年度は,その準備段階として非同変の場合に,閉多様体から部分空間配置の補集合への連続写像の多重写像度を検討し,ある種の部分空間配置の補集合では多重写像度により写像のホモトピー類の分類ができることを示した. 分担者の川上は,第2の目的である近似定理の確立のために,前年度に続き,トポロジーの基本的な結果を順序極小構造のトポロジーに拡張することを研究した.特に実閉体上の局所順序極小構造上において以下の結果を示した.(1) セル分解定理を証明した.(2) 群GをコンパクトアフィンデファイナブルCr群とするとき,G不変全射沈めこみデファイナブルCr写像は,部分的デファイナブルCr-G自明であることを証明した.(3) デファイナブル完備構造に対して,コンパクトアフィンデファイナブルCr-G多様体上の同変モース関数は,G不変デファイナブルCr関数全体において,開かつ稠密であることを証明した. これらの成果は今後の等変写像の分類問題や変形問題の研究の基盤となる基礎理論であり,重要な意義があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度における1つの目標は,等変写像の存在・非存在問題の結果を踏まえ分類問題についの研究であった.Borsuk-Ulam群は等変写像の非存在性と関わる等変Borsuk-Ulam定理の成り立つ群として定義されるが,平成23年度に得られた結果をさらに拡張することができた.特に単純群PSL(2,q), q:奇数, や周期的コホモロジーをもつ群を含む新たな有限群の族を発見した.また閉多様体から部分空間配置の補集合への連続写像について,多重写像度によりホモトピー類が分類できることがわかり,等変写像の分類問題に応用できる見通しがたった.これらの結果は当該分野において新たな理論展開の第一歩となりうるもので,意義ある成果と思われる. 第2の目的である等変写像の変形問題と近似定理の研究においても,分担者の川上を中心に,前年度に引きつづき順序極小トポロジーの基礎理論の研究が進められた.特に24年度はセル分解定理,同変デファイナブルMorse関数の開かつ稠密性などの証明に成功し,近似定理の確立に向けての進展があった. このように平成24年度の研究でさらにいくつかの進展が見られ,当初の目的は十分達成できている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の長崎は,等変写像の分類問題を引き続き発展させるとともに変形問題への研究も推進する.特に等変写像の等変ホモトピー類の分類問題をHopf 型定理の観点から研究し,特に多重写像度を用いて非有向自由G閉多様体から表現球面への等変写像の等変ホモトピー類の研究および変形問題の解明を目指すことで等変トポロジーの基盤を構築する. 分担者の川上は,引き続き同変近似定理の構築のための順序極小トポロジーの基礎理論の研究を行う.応用として実閉体の順序極小構造のもとでのBorsuk-Ulam型定理の確立を目指す.特に長崎の研究で得られた等変写像の結果を実閉体上に拡張することを目指す. 両者の研究は互いの研究を補う関係にあり,最終的にはこれらの研究成果を融合することも計画している.そのために和歌山大学や京都府立医科大学で定期的にセミナーを開催し,打合せや情報交換を行うとともに各種の学会やシンポジウム等に参加し討論することで本研究の遂行に必要な情報を得る.また得られた成果を国内外の学会で発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として,研究に必要な文献を整備し,研究成果を他分野に応用するために関連文献を購入する,特に位相幾何学,幾何学およ び代数,解析関係等の専門書を購入する.また論文作成,プレゼンテーション用のパソコン用ソフト,パソコンの周辺機器や内蔵機器 等の消耗品を購入する.旅費として研究代表者および分担者は情報交換・討論のための研究打ち合わせおよびシンポジウム等で成果発表行う計画である.その旅費として使用予定である,また成果を広く世界に公表するために研究代表者は外国での成果発表も計画しており,そのための 旅費に使用する予定である,その他として.複写サービスを利用や論文発表するために必要な論文の投稿料や論文別刷り代,またMathSciNet 等のデータベース 使用料の分担金として使用予定である.
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Research Products
(11 results)