2013 Fiscal Year Annual Research Report
葉層構造に対するThurstonの不等式と接触トポロジーに関する研究
Project/Area Number |
23540106
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
三好 重明 中央大学, 理工学部, 教授 (60166212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三松 佳彦 中央大学, 理工学部, 教授 (70190725)
高倉 樹 中央大学, 理工学部, 准教授 (30268974)
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Keywords | 葉層構造 / 接触トポロジー / Thurston の不等式 / 沈め込み分類理論 |
Research Abstract |
葉層構造は可積分接平面場として捉えることができるが,1 次元葉層構造の場合に,より強い可積分性を課した構造,すなわち,n 次元多様体上の完全積分可能ベクトル場(n-1 個の独立な第一積分を持つベクトル場)について,その周期軌道の位置の問題に関する実現問題を考察し,或る知見を得た.完全積分可能という条件は,そのベクトル場の軌道全体の成す葉層構造が,その多様体から n-1 次元ユークリッド空間への沈め込みの逆像達によって与えられることと同値である.従って,考えるべき課題は「3 次元多様体上に与えられた絡み目に対し,その多様体から平面への沈め込みで 1 点の逆像がその絡み目(とアイソトピック)となるものについての理解」である.報告者による定理(の修正版)により,そのような沈め込みが存在するための必要十分条件は,その絡み目が局所有限無限チェインとして零ホモロガスであってかつその優先枠付けが多様体全体へ拡張することである.さらに結び目の場合には枠付けの拡張条件はより扱いやすい条件,すなわち,mod 2 係数のホモロジー類として非自明であることと同値であることを示した. これらの実現可能性に関する定理は基本的であるが,その証明にはいわゆる h 原理と呼ばれる超越的な手法を用いており,存在が保証される葉層構造の(位相)幾何学的な構造はよく判らない.また,このような 1 次元葉層構造を持つ多様体は必然的に開多様体となるが,それに横断的な葉層構造は Reeb 成分を持ち得ず,従って Thurston の不等式を満たす.その意味でもこのような 1 次元葉層構造の幾何学的構造の解析は重要であり,具体的構成による実現が探求されるべきである.本研究では基本的な状況,すなわち開ソリッドトーラス内の中心円周のケーブル結び目につぃて具体的構成を試み,円周の平面へのはめ込み分類理論に関わる或る知見を得た.
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Research Products
(5 results)