2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540111
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
福井 和彦 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065883)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 微分同相群 / 幾何構造 / 一様完全 / 交換子長 / 擬準同型 |
Research Abstract |
幾何構造を保つ微分同相群の一様完全性に焦点を当てて、研究を行った。成果として、部分多様体を保つ微分同相群の一様完全性および非一様完全性について考察し、知見を得た。また、葉層に対して、葉を保つ微分同相群の一様完全性および非一様完全性についても考察し、知見を得、特にトーラス上の1次元葉層に対しては、特徴づけることができた。以下の研究集会や研究連絡での情報収集や議論は本研究の成果を得るために有効であった。2011年8月、「全日本トポロジーシンポジウム」に出席し、情報収集および研究連絡を行った。また、「尾鷲微分トポロジー研究会」を主催し、微分同相群と関連分野についての11の講演を持ち、実りある研究連絡および情報交換を行った。主な講演者は、足助太郎(東京大)、佐藤肇(名古屋大)、山岸義和(龍谷大)、森淳秀(大阪大)、松田能文(東京大)、松木敏彦(龍谷大)および阿部孝順(信州大)であり、阿部は福井との共同研究として、「On the uniform perfectness of diiffeomorphism groups preserving a submanifold」を講演した。「幾何学シンポジウム」に参加し、情報収集を行った。 9月、「リーマン面に関する位相幾何学」に出席し、情報収集を行った。 11月、「多様体の平面場と微分同相群2011」に出席し、研究連絡および福井との共同研究である講演を阿部が行った。 12月、「複素解析的ベクトル場・葉層構造とその周辺」に出席、情報収集を行った。また、座長を務めた。 2012年1月、冬の力学系研究集会に出席、情報収集を行った。また、「接触構造・微分方程式およびその周辺」に出席し、情報収集を行った。 2月、信州大学特任教授の阿部孝順氏と部分多様体を保つ多様体の微分同相群の非一様完全性になる例について研究連絡を行い、実り多い議論ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葉を保つ微分同相群に対する一様完全性について考察し、円周を葉にもつ1次元葉層に対して擬準同型を構成することによって、一様完全性の特徴づけに成功した。一般次元葉層について、全ての葉が稠密である場合、葉を保つ微分同相群の一様完全性については、現在研究中である。また、単連結なコンパクト葉の積葉層に対する葉を保つ微分同相群の一様完全性については、葉が球面である場合、一様完全である特徴づけを行った。実モース型特異点をもつ葉層を保つ微分同相群の1次元ホモロジー群については知見を得ているが、複素モース型特異点をもつ実余次元2葉層を保つ微分同相群の1次元ホモロジー群については、今後の課題である。これらの研究に、葉層構造論や変換群論、力学系の研究者たちとの情報活動や研究連絡が必要である。また、種々の幾何構造を保つ微分同相群の構造について、位相構造や代数構造の観点から研究およびその周辺研究の情報収集が必要であり、これをテーマにした小研究会を開催し、研究成果の発表、情報の交換および今後の課題等を議論した。これらに対して、国内のトポロジーや葉層構造関連の研究集会への出席、研究連絡、発表のため、旅費を、専門的知識の提供や研究補助のため、謝金を使った。また、図書資料、文具類などのため、設備備品費および消耗費を使った。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 部分多様体を保つ微分同相群が完全であり、さらにこの群が一様完全である条件についての知見を得ている。当面の目標は、この条件に対する多様体対の例の考察を行い、特徴づけのさらなる整備を行う。また、この条件は部分多様体の次元が1次元に関するものであり、一般次元化に挑戦したい。2. 前年度の研究継続中の課題について、研究を続行する予定である。すなわち、単連結なコンパクト葉の積葉層に対する葉を保つ微分同相群の一様完全性の研究、および複素モース型特異点をもつ実余次元2葉層を保つ微分同相群の1次元ホモロジーの研究である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これら計画遂行のため、24年度は、情報収集や研究連絡のため(年8回程度を予定)および研究会開催のため、旅費として、73万円、専門的知識の提供として、謝金15万円を使う。研究関連分野の図書資料や文具類等のため、設備備品費や消耗品費として、10万円を使う。また、コンピュータ、コピー機を設備品費として購入、その費用として、30万円を使う。その他、会議費として、2万円を使う。
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Research Products
(1 results)