2013 Fiscal Year Annual Research Report
3次元多様体の同境圏におけるホモロジー同境不変量の構造
Project/Area Number |
23540113
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福本 善洋 立命館大学, 理工学部, 教授 (90341073)
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Keywords | ホモロジー同境 / ゲージ理論 / 結び目 / 指標多様体 / 平坦接続 / チャーン・サイモンズ不変量 / 指数定理 / オービフォルド |
Research Abstract |
1. インスタントン・ゲージ理論のレンズ空間のコボルディズムへの応用 ホモロジー3球面のホモロジー同境群は,3次元多様体を4次元多様体の境界とみなすことによって3次元多様体の相互の繋がりを調べる重要な研究対象といえる.本研究では,幾つかのレンズ空間から有理ホモロジー球面への滑らかな負定値同境が存在するとき,その同境が与える代数的射の構造を決定する問題について考察し,管状の端を持つ4次元多様体X上のSU(2)インスタントン(ASD 接続)のモジュライ空間の非コンパクト性を利用することにより,幾つかのレンズ空間から整係数ホモロジー球面への滑らかな負定値同境Wが誘導する代数的射に関する必要条件を,境界のホモロジー球面のChern-Simons不変量と,Wの1次元ホモロジー群からU(1)への準同型によって与えた. 2. 3次元球面の結び目の補空間の基本群のSU(2)表現空間の解析 Kronheimer-Mrowkaによる被約インスタントン鎖複体に関して,Hedden-Herald-Kirkは,3次元球面における結び目に対し,これをある3次元球体に含まれる自明な2-タングルと,その外側におけるタングルに分解し,それぞれの補空間の基本群の零跡表現空間を考え,共通部分にある4点穴空き球面の基本群の零跡表現空間(枕袋)におけるLagrange交叉を考察した.筆者は,インディアナ大学のP.Kirk氏とJ.Pinzon氏との共同研究により,トーラス結び目やプレッツェル結び目に対して枕袋における表現空間の像を明示的に計算し,そのLagrange交叉がKM鎖複体の生成元に対応していることを観測した.また,SU(2)表現とタングルの2重分岐被覆のSU(2)表現との関係から,双二面体群に退化する表現を完全に分類し,さらに枕袋における像がそのオービフォルド被覆における幾つかの直線分になることを示した.
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