2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540132
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
永幡 幸生 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50397725)
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Keywords | 多種粒子系 / 流体力学極限 |
Research Abstract |
流体力学極限の研究は,(巨視的な)流体の運動を,流体を構成している(微視的な)粒子系の運動法則から理解しようとする試みです. 気体の運動を考えると粒子系の運動法則はNewtonの運動方程式に従う気体分子の超多体系で1つ1つの気体分子を見れば各々は他の気体粒子との相互作用により,ランダムに動いているように見えるでしょう.しかしながら,時間―空間に対して「良い」スケール変換をしてみれば決定論的なダイナミクス(流体の方程式)に従って時間発展しているように見えます.このように超多体系から時間―空間に対して「良い」スケール変換をすることにより決定論的な方程式を導出することを総称して「流体力学極限」と呼びます.この「流体力学極限」の問題は物理的には流体の方程式が導出されていますが,数学的に厳密に導出されているとは言いがたい状態です.考える超多体系としてNewtonの運動方程式を考えるのが自然でありますが,残念ながら現段階では困難でありますので,流体の方程式が導出されるメカニズムを保持しつつ,かつ数学的には厳密に「流体力学極限」をとることができるモデルを考えます.その1つのモデルが格子気体モデルです. 本年度は昨年度に引き続き「多種粒子系の流体力学極限」を導出することを目的に「極限で現れる非線形拡散方程式系の解析」と「拡散方程式系の拡散係数の滑らかさ」またこのモデルと共通点の多い「ジャンプ率が退化した格子気体の流体力学極限」を研究しました. 「拡散方程式系の拡散係数の滑らかさ」に関しては十分な結果を得ましたが,「非線形拡散方程式系の解析」では特に最大値原理(に対応するもの)がうまくいかず,最大値原理を仮定すれば流体力学極限が成立するという結果となりました.「ジャンプ率が退化した格子気体の流体力学極限」に関しては「中心極限定理の分散」を得ることができました.
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Research Products
(3 results)