2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540158
|
Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
町田 元 国際基督教大学, アーツ・サイエンス研究科, 研究員 (40090534)
|
Keywords | 離散数学 / 普遍代数 / 多値論理 |
Research Abstract |
集合 A 上で定義される多変数関数の集合で,合成に関して閉じているものを A 上のクローン (clone) という。有限集合 A (|A| > 2) に対し,A 上のクローンの全体は連続濃度の束をなすが,その構造は極めて複雑であり,ほとんどの部分は未知である。本研究(23年度から25年度まで)では,関数の交換可能性に基づいて定義される中心可能クローンと中心可能モノイドにとくに焦点を当てて研究を進めた。 前年度までの研究で,3値(|A|=3)の場合の中心可能モノイドの分類が完成したので,本年度はこの結果を一般の場合に拡げる研究を行った。まず,一般の場合の「極大」中心可能モノイドの分類の研究を進めたが,まだ,十分な成果を得るには至っていない。また,3値の場合には極大中心可能モノイドと極小クローンを生成する majority 関数の間に密接な関係が成り立つという興味深い事実が得られているので,この結果の一般化の可否を検討した。極小クローンに造詣の深い T. Waldhauser 博士(ハンガリー)とも共同で検討を行ったが,5値以上では極小クローンを生成する majority 関数の決定自体が未完成ということもあり,研究は現在進行中の段階である。 一方,本質的極小クローンの研究も継続して行った。本質的極小クローン C について,C は essential arity が m のある関数によって生成されるが,essential arity が m-1 以下の関数によっては生成されないとき,C の rank は m であるという。3値の場合,本質的極小クローンの rank は 2 または 3 である。前年度に rank が 2 の本質的極小クローン(本質的極小 groupoid)をすべて求めたが,今年度は,rank が 3 の本質的極小クローンをすべて決定した。(ただし,証明を改良する作業は残っている。)
|
Research Products
(11 results)