2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540159
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 晴英 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (00333237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 良太 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (70581685)
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Keywords | 離散数学 / グラフ理論 / 因子 / 木 |
Research Abstract |
グラフの因子問題とは、与えられたグラフに対して、特定の性質をみたす全域部分グラフを見つけるという問題である。全域部分グラフとは、与えられたグラフのすべての点と一部の辺からなるグラフのことである。本研究の目的は次の3点の成果を上げることである。 (1) グラフ全体でもつ構造がグラフの一部分にもあり得るかを研究し、グラフの全体で知られている性質との関連性を追及していく。(2) グラフの全域木の構造を様々な角度から検証し、その存在定理の解決方法を提示する。(3) 上記2点の融合を提案し、新たなグラフの方向性を示す。 平成24年度の研究課題においては、研究目的の(2)である、グラフの全域木の構造を明らかにすべく、その存在定理を2つ証明した。ここで、クローフリーグラフとは、どの4点もK_{1,3}を誘導しないグラフである。次数とは、各点から出る辺の本数である。また、グラフの木における分枝点とは、枝分かれのような構造になっている点、つまり、次数が3以上の点をいう。 (1) 連結クローフリーグラフGにおいて、辺で結ばれていない最大点集合に含まれる点の個数、つまり、Gの点独立数が2k+2以下のとき、Gには分枝点が高々k個の全域木がある。 (2) 連結クローフリーグラフGにおいて、辺で結ばれていない任意の5点の最小次数和が(Gの点の個数)-2以上ならば、Gには分枝点が高々1個の全域木がある。 また、本定理を掲載している論文では、これらの定理における存在条件が最良であることも示している。さらに、これらの定理に関係する予想も提示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では、連結クローフリーグラフというグラフを対象に、次数を制限した木に関する結果を2つ得ることができた。また、23年度から継続して行なっている、代表者と分担者との共同研究も結果がさらに進展して、論文としてまとめているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、23年度から継続して行なっている、代表者と分担者との共同研究の結果を論文としてまとめたい。次に、この結果をもとに、代表者と分担者との共同研究により、グラフの次数を制限した木について研究をさらに掘り下げて行う。この際、研究目的(3)も視野に入れて、因子と木の関連性も考慮に入れたい。また、これを確実に遂行するため、定期的にゼミを開催して、成果を上げていきたい。 さらに、得られた結果については、国内外の学会や研究集会で口頭発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
確実に成果を上げていくためには、過去の結果を精査する必要がある。このため、グラフ理論関係図書を数冊購入予定である。また、定理を予想する過程において、シミュレーションを行うため、また、得られた結果を論文としてまとめたり、発表に使用するため、代表者と分担者でコンピュータを購入する。さらに、得られた結果を発表するため、また、この分野の第一線で活躍されている国内外の研究者の発表を聴講したいと考えている。このため、国内外の学会や研究集会に参加したい。
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Research Products
(2 results)