2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540160
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
奈良 知惠 東海大学, 阿蘇教養教育センター, 教授 (40147898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多面体 / ケルヴィン予想 / タイリング / 最小表面積 / 連続的折りたたみ / 展開図 |
Research Abstract |
「3次元空間を等体積に分割して、各領域の表面積の平均値を最小にするにはどのように分割すればよいか」という問題について、凸多面体に対する研究に取り組んでいる。 1.国内外の研究集会での成果発表:6月に開催された第14回スペイン計算幾何学会議(マドリード)にて、研究成果の発表し、多くの反響を得た。この会議には、我々の研究内容に非常に近い研究者であるE.Demaine,J. O’RourkeおよびA. Lebiewらも出席したため、有意義な研究討論ができた。これを機に、11月にMITを訪問し、これらの研究者と共同研究を展開した。多面体の展開図に関する1つの共同研究結果を得て、3月にO'RourkeがEuroCG2012(イタリア)で研究発表した。これの共著論文をほぼ完成し、投稿予定である。9月には、上海交通大学での研究集会、さらに日本数学会秋季総合分科会(信州大学)にて、研究成果を発表した。11月にはJCDCG(Japan conference on discrete geometry and computational geometry) のカンファレンスで研究発表を行った。12月に日本折り紙学会の研究集会に出席して研究交流をした。 2.論文等による成果発表: 投稿中であった3本の論文がハンガリーの専門誌およびLNCS(Springer)より出版された。"XIV Spanish Meeting on Computational Geometry"のFestschrift(Springer出版)への投稿論文(J.Itoh, C. Vilcuとの共著)が受理された。1本の単著論文が投稿中である。現在、1つの論文(J. Itoh, N. Dolbilinとの共著)を執筆中である。 3.研究会「直観幾何学」を熊本大学にて開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ケルヴィンの予想を研究する上において、多面体の研究は非常に重要である。ここでは、多面体の連続的な折りたたみに関する問題に対して、多くの成果を上げることができた。たとえば、C.Vilcuとの共同研究によって1つの未解決問題を部分的に解決することができた。また、この分野のエキスパートであるE.DemaineやJ. O'Rourkeとの濃密な研究交流をもてたことにより、多面体の展開図に関する共同研究結果が得られた。さらに、A.Lebiewとの研究交流によって、多面体に関するストレート・スケルトンの方法を研究する機会を得た。その手法は我々の発見した連続的折りたたみに非常に近いものであることが分かった。この手法に関してはまだ共同研究の途上である。N. Dolbilinとも日本での研究集会の折に、着手中の論文について討論をする機会をもてた。そのほか、多数の研究集会で研究発表し、高い評価を得ることができたと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた研究成果に基づいて、国内外での研究集会での研究発表および論文による研究成果の発表を中心に研究活動を展開する。平成23年度と同様に、熊本大学にて毎週1回程度研究ゼミを実施して、研究討論をする。国内外の研究集会での発表に関しては、離散計算幾何学(JCDCG)研究集会(タイ、バンコック)などで研究発表をする。研究分野が近い海外の研究者(E. Demaine, J. O’Roourke, C. Vilcu, N. Dolbilinなど)の大学を訪問して研究討論・打ち合わせを実施する。論文による発表も引き続き継続する。研究集会「直観幾何学」の開催も続行する。日本折り紙学会の研究集会に出席して研究交流をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外での研究集会への参加・発表のための旅費(JCDCG2012タイのバンコック:2名分)28万×2=56万円海外での研究交流のための旅費(場所と日程については調整中:1名分)26万円国内の研究集会への参加・発表のための旅費4回(日本数学会年会2回、関西グラフ理論研究集会、位相的グラフ理論研究集会)6万×4=24万円資料代 2万円
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