2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540160
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
奈良 知惠 東海大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40147898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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Keywords | 多面体 / ケルヴィン予想 / タイリング / 最小表面積 / 連続的折りたたみ / 剛性 |
Research Abstract |
「3次元空間を等体積に分割して、各領域の表面積を最小にするにはどうのように分割すればよいか」という問題について、凸多面体に対する研究に取り組んでいる。 1.国内外での研究成果発表:12月にロシアのYaroslavlで開催された”Discrete Geometry"のカンファレンスにて,凸多面体の連続的平坦化にかんする研究発表をし、よい反響を得た。その折に、凸多面体の分野で著名なI. Sabitovに会うことができ、有意義な討論をした。彼の推薦により、その後、Saint-Petersburgにおいて、飛び入りにて研究発表の機会を得て、多くの研究者との交流ができた。12月にはタイのバンコックで開催されたカンファレンスTJJCCGG2012において、平行多面体のアフィン同値類に関する研究発表をした。国内では、日本数学会の総合分科会などで研究発表をした。 2.論文等による研究成果発表:投稿中であった論文のうちの1本が、SpringerのLNCSから出版された。投稿した論文のうち3本が受理された:1本(6名の共著)は多面体のrigidityに関するもので、この分野のエキスパートであるE. Demaine, A. Lebiw, J. O'Rourkeらとの共著のものでComputational Geometry (Springer)に、もう1本(2名の共著)はYaloslavl大学のJournalに、さらに、もう1本(単独)はヨーロッパ数学会のElemente der Mathematik に受理された。現在、1本が投稿中である. 3.研究会「直観幾何学」を熊本大学にて開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケルヴィンの予想を解決する上において、多面体の研究は非常に重要である。特に、3次元の平行多面体の性質を明らかにするために、関連する事柄として、凸平行多面体のアフィン同値類の媒介変数表示および代表元の具体的な実現について研究し、成果を得た。昨年度に引き続き、凸多面体の連続的折りたたみの研究においても、ロシアの研究者との交流により、歴史的にも多くの研究者がこの問題に興味をもって取り組んでいることが分った。ケルビンの予想の解決までには、まだほど遠いが、その周辺領域において、顕著な研究成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今までに得られた研究成果および研究交流をさらに発展させていく。国内外での研究集会での研究発表および論文による研究成果を中心に研究活動を展開する。具体的には、 カナダで開催されるカンファレンスCCCG2013(8月)や日本で開催されるカンファレンスJCDCGG2013(9月)での研究発表や研究交流、新しく交流が始まった建築関係の研究者とのrigidityに関する研究交流を予定している。論文による発表も引き続き継続する。研究会「直観幾何学」の開催も続行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外での研究集会への参加・発表のための旅費(CCCG2013カナダのトロント:2名分)33万×2=66円 海外での研究交流のための旅費(場所と日程については調整中:1名分)40万円 国内の研究集会への参加・発表のための旅費2回(日本数学会年会2回)5万×2=10万円 資料代 2万円
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