2012 Fiscal Year Research-status Report
Bound graphとorder idealの関連について
Project/Area Number |
23540161
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
土屋 守正 東海大学, 理学部, 教授 (00188583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 泰子 東海大学, 理学部, 准教授 (10264582)
松本 哲志 東海大学, 理学部, 准教授 (30307235)
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Keywords | 応用数学 / 離散数学 / グラフ理論 |
Research Abstract |
Upper bound graph,double bound graph等の分解に付随する各種clique cover間の関係をposet上のorder idealの交差の観点から捉え,upper bound graph及びdouble bound graphの構造を解明することを行い,upper bound graph及びdouble bound graphの性質をorder idealによるcoverの立場から解明することを目的とする研究を前年までの研究成果を利用してそれを発展させる観点から行った. 前年までの研究に引き続きstrict-double-bound graphとupper bound graphに関係したp-competition graphの研究を行ったが,本年度は,特にupper bound graphとdouble bound graphの中間に位置するsemi bound graphを発展させたstrict-semi-bound graphの性質も研究した. Strict-semi-bound graphはstrict-upper-bound graphやstrict-double-bound graphに関する研究の場合とは異なり,clique coverと関係した付加すべき孤立点の個数の観点からの研究より極大元の集合及び,極小元の集合の性質の観点からの研究が有効であることがわかった.極大元及び極小元は,order idealと関係しており,各種のbound graphのclique coverに関する別の視点からの研究であるといえる.この観点からの研究によって得られたstrict-semi-bound graphの性質を用いてposetの連結性の判定に関する性質を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で報告したように,部分的ではあるが,strict-semi-bound graphの性質を捉えることできた.また,order idealによる分解を解析することにより,限定したグラフに関するものであるが,upper bound graphに関係したp-competition graphの性質および,strict-double-bound numberの上界をclique coverの観点から評価することができた.これらの研究成果は国内外の研究集会で発表している.また,strict-semi-bound graphに関する成果は平成25年度の国際会議等の研究集会での発表も計画している.これらのことより,当初計画は,平成24年度においては,おおむね順調に進展していたと考えられる. また,得られた研究成果に関する研究集会等での発表に関して,様々な意見が寄せられ,論文の掲載状況等とそれらの評価・意見を総合すると研究の方向性はおおむね妥当であると判断することができる.これまでに受けた評価・意見は,本研究の最終年度である平成25年度の研究の実施の中で反映して行き,研究の取りまとめの中で利用していきたいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23・24年度に得られた結果を基にして,さらに研究を発展させる.土屋,松井,松本はこれまでの研究分担計画にしたがった研究を平成25年度も行い,土屋が全体の調整と統括を行う.研究成果の発表に対する意見より,loop,multiple arcs,symmetric arcsを含まないdigraphの場合について考える本研究の手法を発展させることが有用であることが分かった.また,平成24年度に得られたstrict-semi-bound graphの解析手法を他のより一般的なグラフに応用することを平成25年度は行いたい.さらに,strict-double-bound numberの上界に関するclique coverの観点からの解析手法を他のより一般的なグラフに応用し,これらの評価を改良することに努めることも行いたい.そのために下記のことを行う. (a):これまでに得られた研究成果の論文としての取りまとめを行い,専門雑誌へ投稿し,研究成果及び研究の方向性に関する客観的評価を求める. (b):平成23・24年度に行った order idealによる分解及びclique coverに関する解析を継続して行う. (c):平成25年度の研究で得られる研究成果を,国内外の研究集会で発表する.さらに,これらの研究成果を論文としてまとめ専門雑誌に投稿し,研究成果および研究の方向性に関する客観的な意見等を求める. (e):平成25年度は研究全体の最終年度であるので,研究全体の取りまとめを行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に繰り越された予算は,平成24年度に得られた研究成果の論文の取りまとめを中心に利用する予定である.平成24年度より繰り越された予算も合わせて平成25年度は次のように使用する予定である. (a) これまでに得られた研究成果を,論文として取りまとめ(平成25年度に繰り越される予算も含めて,論文投稿料,論文別刷代等の予算を利用して)各種の専門雑誌に投稿し,研究成果および研究の方向性に関する客観的な意見を求め,研究の方向性の確認・修正を行う. (b) order idealによる分解及びclique coverに関する解析を継続して行うために,機材を購入する(パーソナルコンピュータ及びソフトウェア等への利用).また,これらの解析を行うために研究補助費等を利用する. (c) 平成24年度及び平成25年度の研究により得られた研究成果を各種研究集会で発表し,成果発表を通じて意見交換等を行い,研究の方向性の確認・修正を行う.また,海外での国際会議で研究成果の発表を行い,研究成果に対する評価及び客観的な意見を得るとともに,最新の研究情報の取得に努める.これらの活動のために旅費等を利用する.
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