2011 Fiscal Year Research-status Report
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23540169
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Research Institution | Yokkaichi University |
Principal Investigator |
森本 光生 四日市大学, 付置研究所, 研究員 (80053677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 束 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90204081)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 和算 / 東アジアの数学 / 数学史 / 大成算経 |
Research Abstract |
(1) 『大成算経』の現代語訳、英訳を順次公刊すること。テキストを完全に理解するため、先ず読み下し文を作成し、あわせて数学的内容を読み解く。関孝和、建部賢弘および彼らの同時代人の遺した資料(刊本、手稿本)と比較する。この目的のため、ほぼ毎月(通年9回)、名古屋数学史セミナーを開催し、中間成果を持ち寄り研究連絡を行った。(2) 中国の数学史のかかわりの中で、日本数学史を研究すること。「中日数学関係史」の翻訳準備を継続中。2011年9月には北京・清華大学で開催された「第5回中国科学技術典籍研究国際会議」に参加し研究発表をした。また、11月には中国・東華大学徐澤林教授を名古屋数学史セミナーに招聘し、共同研究を行った。2012年3月には上海交通大学で開催された「東アジア数学史国際研究討論会」に参加した。(3) 国内外の図書館で、資料の調査をおこなうこと。本年度は、震災後の復興なった東北大学図書館を見学し、京都大学数学科図書室では大成算経の稿本二種を調査した。また、資料のPDFファイル化を行って、タブレット型OCで閲覧を試みた。(4) 研究集会に参加し研究連絡を密にとること。日本数学史学会総会(京都)、全国和算研究大会(富山)、数学史研究発表会(京都)などに参加した。特記することは、京都大学数理解析研究所のRIMS共同研究『大成算経の数学的・歴史学的研究』を主催したことである。この共同研究により、『大成算経』の研究者たちと意見交換を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 名古屋数学史セミナーを定期的に開催することができ、『大成算経』現代語訳、英訳の準備が整った。巻之四を原稿はほぼ完成、近く公刊の予定。(2) 9月に清華大学、3月には上海交通大学で開催された会議に出席し、研究発表の機会を得た。(3) 東北大学、京都大学の図書館を訪問した。また、手持ちの資料中心にPDFファイル化し、研究仲間での参照を容易にした。(4) 国内の学会にも3回出席し、数理研の共同研究も主催できた。
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Strategy for Future Research Activity |
下記の4点の研究を続行する。(1) 『大成算経』の現代語訳、英訳を順次公刊する。その準備として、名古屋数学史セミナーを定期的に開催すること。(2) 中国の数学史の関わりの中で、日本数学史を研究すること。(3) 国内外の図書館で、資料の調査を行うこと。(4) 研究連絡を密にするため、研究集会に参加すること。平成26年(2014)は建部賢弘の生誕350周年になるので、記念の国際会議を開くこと。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度(2012)は、次の点を具体化する。(1) 『大成算経』の読み合わせのために名古屋数学史セミナーを毎月1度(年に9回)開催する。巻之十六の現代語訳を完成させる。(2) 「中日数学関係史」(馮立昇)の日本語訳を完成させる。中国の研究者との交流を促進するため、名古屋数学史セミナーおよび数理解析研究所の数学史研究集会に中国人学者を招聘する。中国・西安で5月に開催予定の現代数学史研究会に出席し発表する。(3) 『大成算経』の手稿本の調査を続行する。(4) 日本数学会、日本数学史学会、数理解析研究所などの開催する研究集会に参加して、大成算経に関して発表を行う。また、建部賢弘生誕350周年記念の国際会議(平成26年開催予定)の準備を始める。
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Research Products
(7 results)