2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540170
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
辻井 芳樹 京都産業大学, 理学部, 教授 (90065871)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 確率論 / 物性理論 / フラクタル / フラクタル分解 / スピングラス |
Research Abstract |
1.相互帰納的不変集合の様々な特徴付けに関しては、本研究費により本学で開催した研究集会「数理現象における多様な解析的アプローチの研究」において、多様な研究者の研究成果に触れた。次年度以降の研究に活かす。2.Random iteration algorithm から定まるフラクタル上の測度のマルチフラクタル分解に関して、Cawley and Mauldin(1992)の結果を含む一般的なマルチフラクタル分解を考察。表題「Spin-glass Theory of Random Iteration Algorith」の論文を準備中。結果を示すための補助確率を定めるパラメータ(q,s)とマルチフラクタル分解のパラメータ(α、γ)の関係を明示することの困難性が残っている。3.上記2の結果を相互帰納的不変集合に対して拡張することを試みている。表題「表題「Multifractal decomposition of mutual-recursive sets corresponding to two measures」の論文を準備中。Edgar and Mauldin(1992)の結果を含んでいる。4.Cawley and Mauldin(1992)のマルチフラクタル分解で密度αの関数としてハウスドルフ次元のグラフが凸でない例を示している。この方向の研究として、フラクタルを定める縮小写像の個数との関係をシミュレーションで探索。厳密な証明を試みている。5.本研究の発端である解析学における計算可能性の分野では、連携研究員の八杉満利子名誉教授、森隆一教授と共著の論文「Computability of probability distributions and characteristic functions」を国際会議に投稿中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究に関りのある2件の国際会議が24年度に開催される。その会議に出席予定のため、旅費を次年度に大幅に残す結果となった。研究計画に関しては、今年度は24年度に計画していた分野に関しての研究を進める結果となった。23年度予定の研究分野は、24,25年度に引き続き考察していく。
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Strategy for Future Research Activity |
上記「現在までの達成度」で述べた通り、24年度開催される国際会議(International Conference on Computability and Complexity in AnalysisおよびBachelier Finance Society 7th World Congres)に出席、結果の発表と研究者との情報交換を図る。更に25年度の開催予定の国際会議(International Conference on Computability and Complexity in Analysis)にも参加を予定している。また当該年度に京都産業大学で開催した研究集会「数理現象における多様な解析的アプローチの研究」を、次年度以降も継続して実施予定としている。更に京都大学で随時開催している研究集会「CA京都」に参加、共同研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は2回の海外出張を予定している。1つは本研究の発端となったComputabilityの研究集会である。2012年のInternational Conference on Computability and Complexity in Analysis はイギリス、ケンブリッジで開催される。連携研究員の八杉満利子名誉教授、森隆一教授と共同研究の成果を発表予定している。もう1つはフラクタルの応用部門であるファイナンスの研究集会 Bachelier Finance Society 7th World Congressに参加を予定している。フラクタルの理論と応用の研究を聴講し、本研究のバリエーションを増やす。同時に名古屋市立大学宮原孝夫特任教授と共著の研究成果を発表予定。 また、京都産業大学で研究集会「数理現象における多様な解析的アプローチの研究」を開催予定。
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