2013 Fiscal Year Research-status Report
純飛躍型マルコフ過程及びジャンプ拡散過程の確率解析
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23540172
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上村 稔大 関西大学, システム理工学部, 教授 (30285332)
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Keywords | Dirichlet 形式 / 飛躍型マルコフ過程 / レヴィ過程 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した本年度の「研究実施計画」以下のように達成された. 1.一般の測度をもつ距離空間上の飛躍型の対称ディリクレイ形式の再帰性の十分条件を球の測度と,飛躍率の増大度により導出することができた.これらのことは,荒い結果はすでに正宗氏とWang氏との論文で導出していたが,今回はより精密な結果の導出に成功した. 2.対称マルコフ過程の収束性に関して,対応するディリクレイ形式の収束概念として,Mosco収束が知られているが,近似列の性質が極限の性質に伝搬するかどうかについて,経路の性質について,一部安定的でないということが具体例を構成することにより示すことに成功した. 上記1.については,大倉氏との共同研究として,ドイツで開催された国際シンポジウムにおいて発表した.論文については鋭意作成中である.2.については,鈴木氏との共同研究として,京都大学数理解析研究所において開催された確率論シンポジウムにおいて発表した.論文についても鋭意作成中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは,やや遅れていたが,実施計画を若干修正したことで,その計画に関しては順調に進んでいるといえる.特に,京都工芸繊維大学教授の大倉弘之氏との共同研究を通じて,より広い枠組みの飛躍型マルコフ過程の再帰性の条件が導出できたことが大きい.共同研究において,正則変動関数の遠方での挙動が大域的性質に大きくかかわってくることが判明した.
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Strategy for Future Research Activity |
確率過程の構成で,いわゆるフェラー性の導出を目指していたが,これ自身の導出は技術的に困難な問題を抱えており,これ自身を考察することより,ディリクレ形式により得られる解析量のより詳しい性質を導出を目指す.このことにより,将来的に対応する確率過程のフェラー性を証明するための基礎的道具を提供できることになる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年2月に関西大学で開催した研究会「Stochastic Processes and Mathematical Finance」において,招待予定であった研究者のうちの一人が急きょ講演をキャンセルしたため,その方の旅費の補助を想定していた分の一部が残額として残ってしまった. 今年度の8月,関西大学において,国際研究会「Stochastic Processes, Analysis and Mathematical Physics」を開催する予定にしている.この研究会は,同じく8月の韓国・ソウルで開催される国際数学者会議のサテライト研究会となっており,多くの海外からの研究者を招へい予定にしており,その招へい旅費として使用することを計画している.また,上記研究者もその研究会に招へい予定であるので,そのための旅費として繰り越し分の予算は使用する計画である.また,10月下旬に,ドイツ・ドレスデン工科大学において2日間の研究会を開催予定のため,ドイツを訪問する際の旅費として使用することにしている.更には9月半ば,2015年2月下旬に関西大学,あるいは近辺の大学でワークショップを開催することも企画しており,そのための旅費等としても使用する計画である.
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] On Recurrence of Symmetric Jump Processes2013
Author(s)
Toshihiro Uemura, Hiroyuki Okura
Organizer
Dirichlet Forms and Applications - German-Japanese Meeting on Stochastic Analysis
Place of Presentation
Institute of Mathematics, University of Leipzig, Germany
Year and Date
20130909-20130913
Invited