2013 Fiscal Year Research-status Report
不完全情報ゲーム状況における複数主体間での提携形成と行動均衡に関する基礎研究
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23540175
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
松久 隆 茨城工業高等専門学校, 自然科学科, 講師 (40219473)
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Keywords | 提携行動予測均衡 / 情報交換過程 / 経営者ー労働者モデル / 知識構造 / 不完全情報 / 倫理崩壊 / コミュニケーション論理 / 完全性 |
Research Abstract |
当該研究申ではこの協力ゲームと非協力ゲームの乖離を克服すべく、複数主体の状況認識の共有により非協力ゲームの中に潜む協力ゲーム的解概念の研究を行っている。平成25年度は前年度に設定した以下の課題に関してその研究を実施した。 課題1:「提携行動予想均衡解」に関する成果発表; 課題2:「不確実性情報下での経営者ー労働者モデル」における倫理崩壊現象の解消問題を「労働者の努力水準に関する予想情報」の共有の観点から解明する。 課題3:「情報交換対話モデル」の形式体系としての形式化 <得られた成果> 課題1に関しては、以下の主張をS5n知識構造およびS4n知識構造に対して示した:定理1:「提携を形成する各個人が知識構造を基に他の個人行動予測をし、それを『情報交換対話モデル』により他の個人にその情報を伝え、それを受けた個人はその情報を基に自分の知識構造を修正し、新たに他の個人行動予測をし、それを『情報交換対話モデル』により他の個人にその情報を伝える。この操作を提携内で繰り返し行うことで、提携内の個人が作る行動予測の組が『提携行動予想均衡』に収束する。」この結果を含んだ論文は2つの国際会議KES-AMST 2014, CENet 2014, ISORA 2014 の会議論文集に収録されている。現在、最終的結果を学術雑誌論文として執筆中である。課題2については、「共通意思決定関数により期待限界コストを表現する」という仮定のもとで、倫理崩壊がおこらないという結果をJournal of International Management Studies誌に発表した。課題3については、「情報交換対話モデル」の形式体系としえ「コミュニケーション論理」を導入し、その完全性を示した。その成果を会議報告論文集Advances in Intelligent Systems and Computingの一つとして発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に引き続き、国際会議、ワークショップに参加し、成果発表・研究情報交換などの研究交流を積極的に行ってきたことが、刺激になり研究が進展したと考えられる。特に、上海華東理工大学能源経済環境管理研究所、Sant-Petersburg大学Game Theory Center(ロシア)でのセミナー発表と研究交流、国際会議AASRC(ヨルダン)、IISTMID2013(韓国)及びICIPM2013(台中)における成果発表と研究者交流は大変有益であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も平成25年度に引き続き、国際会議、国際研究会に参加し、成果発表・研究情報交換などの研究交流を積極的に行い、研究の推進を図る。具体的内容は以下のとおり: 課題1については、最終成果を学術論文として纏め学術雑誌において公刊する。 課題2については、「共通意思決定関数により期待限界コストを表現する」という仮定は作為的なものであり、これを回避する目的で新たに「労働者の努力水準に関する予想の情報共有」の観点の基づき、以下の定理の証明を完成する。定理2(予想):「不確実性情報下での経営者ー労働者モデル』において、労働者の努力水準に関する予想の情報が共有知識になるならば、倫理崩壊は怒らない。」更に、現在、以下の予想と合わせてその証明を確立しようと研究を多なっている。定理3(予想):「不確実性情報下での経営者ー労働者モデル』において、労働者の努力水準に関する予想の情報を情報伝達モデルにより修正するならば、倫理崩壊は怒らない。」それらの成果を国際会議GOR2014 (Achen), MME 2014 (CZK)等で発表する。 課題3については、「情報交換対話モデル」の形式体系としての「コミュニケーション論理」のモデルとして、ブール代数モデルを援用したものを採用し、このモデルについて「コミュニケーション論理」の有限モデル性の証明を行う。
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Research Products
(11 results)