2014 Fiscal Year Annual Research Report
不完全情報ゲーム状況における複数主体間での提携形成と行動均衡に関する基礎研究
Project/Area Number |
23540175
|
Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
松久 隆 茨城工業高等専門学校, 自然科学科, 講師 (40219473)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 提携行動予想均衡解 / ナッシュ均衡 / 知識構造 / 経営者ー労働者モデル / 情報交換過程 / 努力水準予想値 / 利益配分関数 / 利益配分関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究では「協力ゲームと非協力ゲームの乖離」を克服すべく、複数主体の状況認識の共有により非協力ゲームの中に潜む協力ゲーム的解概念の研究を行っている。平成26年度は前年度に設定した以下の課題に関してその研究を実施した。 課題1:「提携行動予想均衡解」に関する成果発表および論文公刊; 課題2:「不確実性情報下での経営者ー労働者モデル」における「倫理崩壊現象の解消問題」を「労働者の努力水準に関する予想情報」の共有の観点から解明する。 <得られた成果> 課題1に関しては、S5n知識構造およびS4n知識構造に対して以下の結果を得た。 定理1:「提携を形成する各個人が知識構造を基に他の個人行動予測をし、それを『情報交換対話モデル』により他の個人にその情報を伝え、それを受けた個人はその情報を基に自分の知識構造を修正し、新たに他の個人行動予測をし、それを『情報交換対話モデル』により他の個人にその情報を伝える。この操作を提携内で繰り返し行うことで、提携内の個人が作る行動予測の組が『提携行動予想均衡』に収束する。」この成果は国際会議 RuFiDIM 2014 (Petrozavodvsk) において報告し、また現在、その最終結果を学術雑誌 Fundamenta Informatica 誌の特別号に公刊予定である。 課題2については、次の結果を国際会議IT4OT (Tebessa)において発表した。 定理2:「不確実性情報下での『経営者ー労働者モデル』において、各労働者への利益配分は「労働者の努力」に依存して決まるという状況を考える。即ち、各労働者は自らの努力を変数とする利益配分関数をもつと仮定する。このとき、労働者の努力水準に関する予想値が経営者および労働者のすべての間で共有知識になる場合は利益配分関数が最大になる。」
|
Research Products
(9 results)