2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540176
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 巌 小山工業高等専門学校, 一般科, 教授 (70154036)
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Keywords | グラフ / ゼータ関数 |
Research Abstract |
先ず、グラフやdigraphの2変数のBartholdi関数を、3変数以上のBartholdi関数に一般化して、その行列式表示を与え、正則被覆グラフや正則被覆digraphについて、その分解公式を求める。そして、弧に重みを付けた重み付きBartholdi関数や、その他のタイプの重み付きBartholdi関数に拡張する。特に、弧に行列の重みを付けた重み付きBartholdi関数を考え、その行列式表示を与える。また、それらをhypergraphに適用して、3変数以上のBartholdi関数や、重み付きBartholdi関数の行列式表示を与える。 Lapidus達が得た、無限グラフのゼータ関数を、無限digraphのBartholdiゼータ関数に拡張する。Winnie Li等が与えたPGLn(F)(Fは非アルキメデス的局所体)のBruhat-Tits buildingのゼータ関数を、Bartholdiゼータ関数に一般化する。さらに、いろいろなグラフゼータを利用して、砂田によるリーマン多様体の類体論等の被覆グラフ版を模索する。 物理と量子グラフとの関連では、digraphのゼータ関数の行列式表示を応用として、digraphのscattering matrixを定式化して、Smilanskyの公式を一般化する。また、 quantum graphのscattering matrixに関する行列式の種々の公式の別証明等、物理への応用を込めた、グラフゼータの新しい方向付けを考えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、グラフと被覆グラフのゼータ関数について、以下の結果を得た。 (1) グラフGの一般の重みに対する、edgeゼータ関数の行列式表示に関する、Watanabe & Fukumizuの公式を、edge L-関数に一般化して、Gのregular coveringのedgeゼータ関数を、Gのedge L-関数の積に分解した。論文として、Linear Algebra and its Applicationsに掲載された。 (2) グラフ上の離散時間量子ウォークの一つであるGroverウォークのGrover遷移行列とそのpositive supportの特性多項式を、第2種weightedゼータ関数とIharaゼータ関数の行列式表示を用いて導出し、直接的に、それらのスペクトルを決定した。論文として、Quantum Information Processingsに掲載された。 (3) 正則なperiodic simple graph Gに収束する有限正則regular coveringsの列を考え、それらの有限正則regular coveringsのBartholdiゼータ関数が、GのBartholdiゼータ関数に収束することを示した。論文として、Far East Journal of Mathematical Sciencesに掲載された。 (4) hypergraphのedgeゼータ関数を導入し、その行列式表示を与えた。また、hypergraph Hのgroup coveringの概念と、hypergraphのedge L-関数を導入して、hypergraphのgroup coveringのedgeゼータ関数を、Hのedge L-関数の積で表した。論文として、Journal of Applied Mathematics and Computingに掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究では、整数論やquantum graph, quantum walkの知識が必要なため、グラフゼータに絡む整数論、quantum graph, quantum walkや、統計物理に離散数学の絡む専門書を購入したい。グラフゼータとその周辺の研究は、今、数学の中だけでなく、物理の分野と深い、繋がりがあることが判明しつつあり、グラフゼータを含む領域の国際シンポジウムに出席して、最新の情報を手に入れたい。具体的には、 (1) quantum graphの文献を読み、digraphのscattering matrixを導入して、Smilanskyの公式のdigraph版を導き、新たなdigraphのゼータ関数を定義する。また、新たにグラフの一般的なscattering matrixを模索する。 (2) quantum graphのscattering matrixと、グラフ上の離散時間量子ウォークの遷移行列の類似性に焦点を当てて、quantum graphから派生する量子ウォークの概念を考察し、グラフゼータと関連付けて、新たな行列式表示を模索し、グラフゼータの新しい方向付けを考えたい。 (3)正則グラフと半正則2部グラフの重み付きゼータについてセルバーグ型の跡公式を導き、極の偏角の分布を考察する。 (4)いろいろなグラフゼータや、Smilanskyの手法、渡辺&福水の手法を用いて、hypergraphのcoveringのBethe free energyのヘッシアンの分解公式、quantum graphのscattering matrixに関する行列式の種々の公式の別証明等、物理への応用を考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
グラフゼータを含む領域の国際シンポジウムに出席して、最新の情報を手に入れる。 成果が出たら、日本数学会、国際シンポジウム等で発表し、論文にまとめて投稿する。
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[Presentation] 散乱行列とその周辺2012
Author(s)
樋口雄介, 佐藤厳
Organizer
CMRU 研究会「量子確率論と量子ウォーク」
Place of Presentation
東北大学
Year and Date
20120704-20120705
Invited
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