2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540179
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
和地 輝仁 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30337018)
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Keywords | Capelli恒等式 / 概均質ベクトル空間 / b-関数 |
Research Abstract |
1. b-関数、Capelli恒等式に関する研究成果: 平成24年度は平成23年度に引き続き、概均質ベクトル空間のb-関数と関わるCapelli恒等式の研究を主に進めた。成果としては、ある種の可約概均質ベクトル空間のb-関数と関わるCapelli恒等式に対して、そのCapelli恒等式に現れる微分作用素が、リー代数のある最高ウェイト表現の表現作用素として現れることを得た。これは、平成23年度に得た成果とは、別の型における同様の結果である。可約概均質ベクトル空間に付随するCapelli恒等式が、リー代数の表現と関連することが再び得られ、このCapelli 恒等式の表現論的重要性が強まったと言える。また、これについて、平成24年6月に南開大学 (中国天津市) 、平成24年9月に日本数学会秋季総合分科会で発表を行った。 2. 対称対の冪零軌道に関する研究成果: b-関数との関連が期待される対称対の冪零軌道について、西山享氏と研究打合せを実施し、有益な情報交換を行い、また、平成25年度の研究の計画を立てることもできた。しかし、研究成果としては、平成24年度は目立った成果は得られなかった。 3. 平成24年度の研究費の使用: 旅費については、日本数学会秋季総合分科会・年会、表現論シンポジウム等の研究集会、関連研究者との研究打合せとして使用した。さらに、冪零軌道の組合せ論と関連する、ワイル群の余不変式環や、一般線型群の既約表現次元公式について、そのq-類似も含めた概観について、ハワイで行われた研究集会で講演を行い、その旅費を支出した。また、組合せ論的表現論に関係する図書を購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概均質ベクトル空間に付随するCapelli恒等式に関する研究については、着実に成果があがっており、結果を学会等で発表することも行えた。他方、対称対の冪零軌道に関しては、平成24年度は目立った成果が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、国内外の研究集会やセミナーなどを含めた研究打合せを通して、新しい知見を得ながら研究を進める予定である。参加を予定している研究集会等としては、数理解析研究所研究集会「表現論および表現論の関連する諸分野の発展」、日本数学会秋季総合分科会・年会、表現論シンポジウムなどがある。主な研究打合せにとしては、まず、対称対の冪零軌道に関する研究の遅れを挽回するために、西山享氏をはじめとする関連研究者を招聘して研究打合せを実施する予定である。次に、米国マサチューセッツ工科大学に訪問し、Vogan氏や、滞在予定である織田寛氏との研究打合せも実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費予算については、上述した研究集会、研究打合せに加え、予算に余裕があれば国内研究者との研究打合せも実施する。また、必要に応じて表現論関連図書を購入し研究に利用する。
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Research Products
(5 results)