2011 Fiscal Year Research-status Report
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23540182
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 圓治 山形大学, 理学部, 教授 (80107177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷 康雄 東海大学, 沼津教養教育センター, 教授 (70234903)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | モレー空間 / 分数冪積分作用素 / 重み関数 / ヤコビ直交関数系 / ハンケル変換 |
Research Abstract |
本研究の課題の一つは、多重線形作用素の関数空間における有界性についての研究である。特に、多重線形分数冪積分作用素の研究である。これについては、分担者と共同研究を行い、分数冪積分作用素について重み付き関数空間での有界性について、モッケンハウプトの導入した重みを研究し、新たな重みの概念を考え、重み付きモレー空間上でアダムスの不等式を一般化し、飯田毅士、古谷康雄との共著の論文として数学の専門誌に発表した。また、この結果を多重線形分数冪積分作用素に応用して、重み付きモレー空間に一般化し、これも共同研究により、飯田毅士、古谷康雄との共著論文として、数学の専門誌に発表した。更に、この方面での研究者たちと共同研究を行い、新たな関数空間の枠組みを考え、アダムスの不等式やオルセンの不等式などを統一的に扱うことができることを証明した。この結果は、飯田毅士、澤野嘉宏、田中仁との共著の論文として、数学の専門誌に発表した。このように今年度においては、この方面では、多くの成果が得られた。2つめの課題である直交関数系から作られる関数空間上の作用素の有界性についての研究については、ヤコビ直交関数系から作られる関数空間上のある有界な双線形作用素が、ハンケル変換上の有界な双線形作用素に移ることを示した。これは、線形作用素の場合の1972年の猪狩の結果の類似であり、更に特別な場合には、ユークリッド空間上のルベーグ関数空間上の双線形作用素の場合になっている。この結果は、単著論文として、数学の専門誌に発表した。3つめの課題であった、モレー空間の関数環的性質については、類似の空間であるBMO空間と比較しながら、若干の結果が得られているが、更に、深めるべく研究を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の一つである多重線形作用素の関数空間での有界性については、特に分数冪積分作用素においては、分担者との共同研究により、いくつかの結果が得られ論文として発表することができた。更に、この方面で、オルセンの不等式を研究している研究者達と共同研究することができ、いくつかの結果が得られ、論文として発表することができた。2つめの課題である、ヤコビ直交関数系からなる関数空間上のある性質を持つ有界線形作用素がハンケル変換の関数空間上の有界作用素に移るという結果は、線形作用素では知られていたが、双線形作用素でも得られ、論文として発表することができた。これに関連する結果についても研究を継続中である。しかしながら、3つめの課題である、モレー空間の関数環的性質については、現在、研究を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次の方針で研究課題を進める計画である。1.ユークリッド空間上の関数空間の多重線形作用素については、平成23年度に得られた結果を分担者と協力して更に、発展させる。この場合、分担者だけでなく大阪大学、東京女子大学、東京大学などの研究者達と連携しながら研究を進める。2.直交関数系から作られる関数空間上の作用素については、金沢大学の連携研究者と共同研究を進めている。特に、ヤコビ直交関数系からなる関数空間上のある種の有界作用素はハンケル変換からなる関数空間上の有界作用素に移るが逆については長年問題になっている。この問題にも共同研究により解決の糸口を見いだしたいと思っている。これまで海外のこの方面の研究者と研究情報を交換してきており、海外での研究会があれば参加したいと考えている。3.モレー空間の関数環的性質の研究については、新潟大学などの関数環の研究者達と連絡をとり、学会・研究会などにも積極的に参加して、研究の進展をはかりたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の推進方策に従って、次のような計画を考えている。1.研究分担者との研究交流、連携研究者との共同研究、および研究会・学会などへの積極的な参加により、旅費として研究費を使用し、本課題の研究に積極的に取り組むために研究費を使用する。2.研究を進めるために本課題の研究に関係する図書を購入するために図書費として使用する。3.本課題に深く関与する研究があった場合には、その研究者に来てもらったり、こちらから訪問したりして、旅費として研究費を使用し、本課題の研究を進める。
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Research Products
(5 results)