2013 Fiscal Year Research-status Report
無限回微分可能函数の枠組においてコーシー問題が適切となる双曲型方程式の特徴付け
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23540185
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
若林 誠一郎 筑波大学, 名誉教授 (10015894)
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Keywords | 双曲型方程式 / コーシー問題 / 適切性 / 超局所解析 |
Research Abstract |
双曲型作用素に対するコーシー問題がC∞適切になるための必要十分条件を得ることを最終的な目的とし、25年度は、前年度に引き続き、主要部の係数が時間変数のみに依存する2階の双曲型作用素に対して得られた条件を、高階の作用素に如何に一般化するかについて考察した。まず、3階の微分作用素で係数が時間変数のみに依存する双曲型作用素に対して、subprincipal symbol 及び、所謂 「sub-sub-principal symbol」に条件を課して、 コーシー問題がC∞適切になることを示した。これは問題に応じて「sub-sub-principal symbol」を如何に定義すべきかを示す一例になっている。ここで課した条件は、いくつかの特別な場合には、必要条件にもなっていて、今までには知られていない新しい条件である。また、係数が時間変数のみに依存する2重特性的である高階双曲型作用素に対するコーシー問題についても、subprincipal symbol に対する同じ条件の下でC∞適切になることを示した。この条件は、自然な条件であり、いくつかの特別な場合には、やはり必要条件にもなっている。 次年度以降は、主要部の係数が時間変数にのみに依存する2重特性的である高階双曲型作用素に対するコーシー問題がC∞適切になるための十分条件・必要条件について考察する。また、3階の作用素に対する今年度の研究を発展させることにより、主要部の係数が時間変数にのみに依存する高階の双曲型作用素(まずは3重特性的である場合)に対するコーシー問題のC∞適切性について、どのような条件が必要条件となり得るかを込めて研究したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最低限ここまでは示したいと考えていた結果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に従って研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度からの繰越金316,686円(実繰越金は150,250円)があり、今年度の繰越金は84,045円となる。実質的には前年度の繰越金の約半額を次年度に繰り越すこととなる。 今までに得られた結果を国内外の研究集会で発表し、この分野の研究者との研究交流を図るための旅費に多くの予算を使用する予定である。また研究費で研究資料、研究用ソフト及び文具等の消耗品を購入する。次年度使用額を加えた研究費により、積極的に研究集 会等に参加できるようになり、研究交流を進め、研究を前進させることができると考える。
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