2012 Fiscal Year Research-status Report
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23540186
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石村 隆一 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10127970)
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Keywords | 畳込み方程式 / 非局所擬微分方程式 / 演算子法 / 微分・差分方程式 |
Research Abstract |
申請書に書いた研究目的 [1] 複素領域における畳込み方程式の研究。[2] 非局所擬微分方程式の演算子法と可解性。[3] 局所および非局所線型微分方程式系の研究、のうち、 [1] に関する「空間 A-∞ における解析的汎函数を核とする畳込み方程式に関する一般理論構築のための研究」について前年度に引き続きロシア・ロストフの南方数学研究所A.V.Abanin 教授・シンガポール Nanyang 工科大学の Le Hai Khoi 教授との共同研究として、正則解の解析接続についての結果が出版された(研究発表の[雑誌論文] )。 次に [3] について、以前の科学研究費による研究で得られていた、非局所擬微分作用素に関する研究を応用して、対応する非局所擬微分方程式の正則解の解析接続および非局所微分方程式の正則解の存在についての結果を得ることができた。またこれらを用い、[2] に関連して定数係数の微分・差分方程式に対する演算子法公式を得ることができ、様々な例を計算することができた。この演算子法の公式はさらに様々な応用を持つことが期待される。以上の研究をまとめた結果を発表した(研究発表の[雑誌論文] )。 これらの研究成果には、科学研究費により導入した機器類・ソフトウェアによる例計算の実験を通し、そしてさまざまな複素解析の書籍・微分方程式の形式理論や微分Galois理論などの関連する図書の充実が重要であった。当該年度の3名の共同研究は、相互訪問の実現ができなかったためおもにメール等の手段によって行われたものではあるが緊密な連携を行うことにより得られたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記3名による共同研究は、現在も研究を継続中である。さらに、非線型の偏微分方程式系の一般理論としての包合系について、その正則解の存在域の評価および特性多様体についての研究についての方針が得られつつあり、これについて今後研究を行っていくことを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、ロストフとシンガポールとの連携をおこない研究の進捗状況に応じ相互訪問も行うことで、研究目的[1]のさらなる進展をさせたい。また研究目的[2]について、その完成を目指し、[3]についての方向性を定める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度も種々の理由により特に共同研究者相互の訪問が行えなかったため、次年度以降のなるべく早い時期に可能な限りこれらを実現し、また引き続きその他の研究者とも数学的手法と情報・知識の交換、研究討論を行い、また関連する図書やソフトウェアの充実を図りたい。
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Research Products
(2 results)