2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540186
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石村 隆一 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10127970)
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Keywords | 包合的微分方程式系 / 畳込み方程式 / 非局所擬微分方程式 / 演算子法 |
Research Abstract |
申請書に書いた研究目的 [1] 複素領域における畳込み方程式の研究 [2] 非局所擬微分方程式の演算子法と可解性 [3] 局所および非局所線型微分方程式系の研究 のうち、主として[3]についての研究を行った。非線型を含む微分方程式系はそのもっとも一般的な定義として、ジェットバンドルの部分多様体としてとらえることができる。その際方程式系の表象の代数的な条件である包合性の概念が、方程式系の解析的性質を調べるうえで重要であり、この包合性の条件のもとで、Cauchy-Kowalevskayaの定理の一般化としてCartan-Khalerの定理が知られている。この定理は局所解の存在を保証するものであるが、その存在域の定量的な性質については少なくとも研究代表者の知りうる限りでは未だ発表されていない。そこでこれについて当該年度の研究では、局所的に一意存在する解の存在領域を初期値の定義域から評価することができた。この結果は解のただし解析接続問題を考える上の基礎定理となりうるもので、これについて次年度継続して研究していく予定であり、上記評価は途中結果と言えるため論文の形にはしていない。 さらに[1],[2]については次年度以降継続していく予定である。特に[1]について次年度に共同研究者であるNanyang 工科大学の Le Hai Khoi 教授の来日を仰ぐ予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線型の偏微分方程式系の一般理論としての包合系について、その解析解の存在域の評価をすることができ、これをもとにして今後解の接続と特性多様体についての研究を行っていくことを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記包合系の解析的理論の研究に加え、[1]の畳込み方程式を含む複素解析について、ロシア・ロストフの南方数学研究所A.V.Abanin 教授・シンガポール Nanyang 工科大学の Le Hai Khoi 教授との研究連絡を行うことでさらなる進展をさせたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の予定していた出張が行われなかったため。 次年度に行われる研究集会に出席することで使用する予定である。
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