2012 Fiscal Year Research-status Report
不動点理論と凸解析学を介した非線形関数解析学と非線形問題の究明
Project/Area Number |
23540188
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 渉 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 名誉教授 (40016142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 雅治 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30260623)
木村 泰紀 東邦大学, 理学部, 准教授 (20313447)
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Keywords | 非線形関数解析 / 凸解析 / 不動点 / 最適化 / 非線形作用素 / 均衡点 / 不動点アルゴリズム / バナッハ空間 |
Research Abstract |
本研究は、不動点理論と凸解析学を介して、均衡問題や最小化問題などの非線形問題の解の存在と、その近似に関する問題を究明することを目的としてなされた。集合値写像の研究では、均衡問題は値域が限定される極大単調作用素の零点問題であることを発見し、その極大単調作用素のリゾルベントの性質を用いて、ハルパーン型強収束定理を得た。その考え方をもとに均衡問題を一般化する極大単調作用素の零点を求めるハイブリッド型による強収束定理を得ることにも成功した。ヒルベルト空間の増大作用素のリゾルベントの性質から非拡大写像、ノンスプレッド写像、ハイブリッド写像が定義されるが、前年度これらの写像を統一する新しい非線形写像(ハイブリッド写像)が研究代表者により発見されたが、当年度はその写像と縮小写像を一般化する非線形写像を定義することに成功し、その不動点定理や不動点を求める弱収束定理、および強収束定理を証明することに成功した。さらにこの写像をバナッハ空間にまで拡張し、この写像の不動点定理や収束定理をバナッハ空間の場合でも証明した。この研究では、バナッハ空間でのノルムよりもヒルベルト空間のノルムを一般化する二変数リアプノフ関数が有効であることもわかった。さらに、この写像の考えを距離空間の場合にも応用し、これまでの不動点定理を統一した形で証明した。非線形エルゴード定理の研究では、前年度不動点の概念を一般化する点(アトラクテブポイント)を定義し、一般的ハイブリッド写像の凸性を仮定しない平均収束定理を証明することに成功したが、これをさらに発展させるとともに、バナッハ空間の場合まで一般化した。これはバイロンによって1975年に初めて証明された非線形エルゴード定理をバナッハ空間の場合まで一般化するものである。これらの結果は、最近諸外国でたくさん引用されていることを報告しておきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者のこれまでの準備や知識が十分あったことに加え、大量の文献収集やその整理、ならびにこの研究に興味を持っている国内外の研究者との数多くの研究打ち合わせや討論が功を奏した結果であろうと思われる。また、当該研究のために時間を十分使えたことや研究代表者の豊富なアイデアも主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 24 年度の研究に引き続いて、今後の研究を以下の順序で推進する。(1) ヒルベルト空間のハイブリッド写像と非拡大半群の理論を統一するような連続性を仮定しない写像の半群の理論を展開し、これまでの非拡大半群では解明できないいくつかの非線形問題を研究する。(2)この理論をバナッハ空間にまで拡張し、連続性を仮定しない写像の半群のバナッハ空間での不動点定理や収束定理を得たい。これらの結果を用いてに非拡大半群では解明できないバナッハ空間のいくつかの非線形問題を研究する。(3) これまで研究代表者の研究によって、非線形作用素に対して双対写像が一般に定義され、ノンスプレッド写像とスキュ-ノンスプレッド写像の間には双対性が成り立つことが証明されたが、今年度は上記連続性を仮定しない写像の半群の双対性の理論を展開し、それらの間の不動点や収束性の関係等を研究する。(4) 線形作用素の双対写像と非線形作用素の双対写像の間には不動点集合を介して、ある種の興味ある関係があることが知られているが、相互関係を計算できるような関係式は見つかっていない。非線形作用素が線形作用素であるときの双対写像と、線形作用素のもともとの双対写像の関係について研究を行うとともに、得られた結果を使ってこれまで究明できていない線形作用素の研究、及び線形作用素の半群の研究を行いたい。(5) 工学や理論経済学ではインバース問題が重要であるが、これまでは線形作用素の理論を使ってのものがほとんどであった。ここでは研究代表者により得られた非線形理論を使って線形作用素と非線形作用素をミックスする応用性のあるインバース問題を提起し、その問題について研究する。ここでは凸解析学と不動点理論が有効に用いられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(27 results)