2011 Fiscal Year Research-status Report
バナッハ空間の種々の定数及びノルム不等式の研究とその応用
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23540189
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 信州大学, 工学部, 教授 (50090551)
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
三谷 健一 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (00468969)
渡邉 恵一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50210894)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | バナッハ空間 / James定数 / von Neumann-Jordan定数 / 三角不等式 |
Research Abstract |
Banach空間における幾何学的な構造を表す定数として、von Neumann-Jordan定数やJames定数などの定数がある。それらを計算或いは評価するために、色々なノルム不等式の研究を行うとともに、その最良定数を求めルことは重要である。 バナッハ空間における種々の定数とノルム不等式についての研究は、単位球の形状を調べることと大きく関係しており、その形状によって、多くのバナッハ空間の幾何学的な性質や構造が今までに研究されてきた。本研究では、まず、バナッハ空間の定数の研究として、von Neumann-Jordan定数を取り上げ、計算をどのようにするかを整理した。さらに、absolute normの集合の端点構造を調べて、その端点になっているabsolute norm空間のJames定数の計算に成功し、その成果は、Applied Math. Computationに発表された。更に、Zbaganu定数やmodefied von Neumann-Jordan定数について計算し、いつvon Neumann-Jordan定数と一致するかを考察し、バナッハ空間の構造に言及した。また、Dunkl-Williams不等式や三角不等式の精密化や一般化にも成功し、作用素論への1つの応用を試みた。 更に、作用素不等式の研究として、フルタ不等式の精密化や関数空間についての研究も考察を続けており、今後の研究の準備が進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バナッハ空間の各種の定数についての計算が順調に進んでおり、多くの成果を得ている。定数の計算はノルム不等式の理論と大きく関係しており、最良定数を求めることであるが、三角不等式の精密化やDunkl-Williams不等式などの研究が進んでおり、作用素論への応用も少しずつ進んでいるので、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策は、23年度に得られた代表者及び各分担者の研究結果を基に、各自、23年度の計画を続けて研究を推進する。更に、各自の役割分担に従って、研究課題を重点的に考察する。そのために相互に意見を交換することは勿論のこと、全国の関連する研究者と情報交換及び研究打ち合わせをしながら、研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度以降、研究経費については、23年度と基本的に同じである。特に、異なるところは、研究代表者は24年度は成果発表のために外国旅費として計上し、国際研究集会に参加する。更に、関数解析学及びこれらの分野に関係する図書が、随時入用になるため、この研究を遂行するために、関係する参考文献を購入する。
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