2012 Fiscal Year Research-status Report
バナッハ空間の種々の定数及びノルム不等式の研究とその応用
Project/Area Number |
23540189
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 信州大学, 工学部, 教授 (50090551)
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
三谷 健一 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (00468969)
渡邉 恵一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50210894)
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Keywords | ノルム空間 / James定数 / Dunkl-Williams定数 / skew定数 |
Research Abstract |
数学の多くの分野で不等式は重要な研究対象で、バナッハ空間におけるノルム不等式の研究も例外でなく、今までに多くのノルム不等式が研究されてきた。一方、バナッハ空間の多くの幾何学的な定数の研究は、ノルム不等式と大きく関わっている。そこで、本研究では、次のことについて重点的に研究を行った。 Dunkl-Williams不等式から導入されるDunkl-Williams定数の計算方法をバナッハ空間における直交性の概念を用いて、提案し、実際に、あるバナッハ空間のDunkl-Williams定数の計算に成功した。また、このDunkl-Williams不等式についての作用素不等式への一般化も考察した。バナッハ空間の歪み具合の研究として、skew定数を導入し、Skew定数とJames定数の関係を考察した。更に、有限次元ノルム空間の構造の特徴として、normalノルムを持つ空間の構造を研究した。それは、バーコフ直交とも関連して興味のある構造を調べることに成功した。Becknerの不等式について、別なアプローチを行い、初等的な方法で証明に成功した。この結果を拡張することにより、バナッハ空間の色々なクラスを作る可能性を見えだした。Dunkl-Williams不等式を利用することにより、幾何学的な定数を考察し、内積空間の特徴付けを行った。 以上の結果は多方面にわたって、研究が推進されており、今後多くの成果が見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バナッハ空間の各種の定数についての計算が順調に進んでおり、多くの成果を得ている。幾何学的な定数はDunkl-Williams不等式等のノルム不等式等から導入されてるが、その計算方法を求めることは困難であるが、バーコフ直交の概念を応用してその計算に成功した。これらの結果の作用素論への応用も少しずつ進んでいるので、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策は、23、24年度に得られた代表者及び各分担者の研究結果を基に、各自、25年度の計画を続けて研究を推進する。更に、各自の役割分担に従って、研究課題を重点的に考察する。そのために相互に意見を交換することは勿論のこと、全国の関連する研究者と情報交換及び研究打ち合わせをしながら、研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度、研究経費については、23,24年度と基本的に同じである。特に、研究代表者は25年度は成果発表のために外国旅費として計上し、国際研究集会に参加する。更に、関数解析学及びこれらの分野に関係する図書が、随時入用になるため、この研究を遂行するために、関係する参考文献を購入する。
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Research Products
(57 results)