2013 Fiscal Year Annual Research Report
バナッハ空間の種々の定数及びノルム不等式の研究とその応用
Project/Area Number |
23540189
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
斎藤 吉助 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30018949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幹雄 信州大学, 工学部, 教授 (50090551)
羽鳥 理 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70156363)
三谷 健一 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (00468969)
渡邉 恵一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50210894)
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Keywords | バナッハ空間 / von Neumann-Jordan定数 / James定数 / Dunkl-Williams不等式 / 三角不等式 |
Research Abstract |
数学の多くの分野で不等式の研究は重要であり、色々な分野と密接に関係して発展してきた。バナッハ空間におけるノルム不等式も例外でなく多くの幾何学的特徴付けに応用されており、多くの幾何学的な定数が定義できる。今年度は次のことについて重点的に研究した。 先ず、Becknerの不等式に着目して、別証明を与えるとともに、ψ-直和の概念を持ち、その不等式の一般化に成功した。現在はその不等式を持ちえて、新しい幾何学的性質を構築している段階である。Dunkl-Williams不等式より定義されたDunkl-Williams定数の計算方法について、提示して、それにより幾つかの2次元空間について定数の計算に成功した。また、Dunkl-Williams不等式より、内積空間の特徴付けを行った。更に、skewnessの概念からskew定数を定義し、その性質についても調べた。 代表的な幾何学的定数にvon Neumann-Jordan定数やJames定数があるが、その特徴をよく調べることにより、それらの定数を如何に計算するかという問題を提示し、計算公式を整理し、その計算方法について、多くの注意点を与えた。また、ヒルベルト空間の直交基底の概念を一般化して、バナッハ空間の直交基底の概念を導入し、有限バナッハ空間の構造を調べることに成功した。 三角不等式はバナッハ空間において最も重要な不等式であるが、三角不等式の一般化と精密化についての結果も発表した。
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