2013 Fiscal Year Research-status Report
経路積分的考察による量子力学のプロパゲイターに係わる研究
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23540191
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
一瀬 孝 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (20024044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 英男 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (30022734)
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Keywords | 関数方程式 / 量子力学 / 経路積分 / プロパゲイター / ファインマン・カッツ公式 / 相対論的シュレーディンガー作用素 / レヴィ過程 / 指数積公式 |
Research Abstract |
本研究課題の第3年度である。1.一瀬は,磁場付き古典的相対論的ハミルトニアン表象に対応する3つの量子化相対論的シュレーディンガー作用素についての虚数時間経路積分表示の問題を考察,違いをLett.Math.Phys.誌(2012)で短く述べた。1つ目は一瀬・田村[Commun.Math.Phys.1986]によるワイル量子化シュレーディンガー作用素であり,2つ目はIftimie-Mantoiu-Purice [Publ. RIMS Kyoto Univ. 2007] にて考案されたもの,3つ目は,非相対論的磁場付きシュレーディンガー作用素の1/2乗を経て定義されたもの。本成果を詳述するレヴュー論文をSpringer社出版の書(2013)中に書いた。 2. 一瀬は,上記1.の3つ目の相対論的シュレーディンガー作用素に対する虚数時間経路積分に関する共著論文を,廣島文生(九大),Jozsef Lorinczi(Loughborough大,英)とPubl.RIMS Kyoto Univ.誌(2013)に書いた。 3.一瀬は,村山太郎(金沢大自然研大学院)との共同研究により,上記1.の1つ目の相対論的シュレーディンガー作用素に対する虚数時間経路積分[一瀬・田村のCommun.Math.Phys.誌(1986)]に対する,粒子質量が零に近づくときの極限問題を,レヴィ過程の極限定理として確率論的に考察。論文は Proc. Japan Acad.誌(2014)に出版。 4. 一瀬はまた,斉藤義実(Alabama大,米)と共同研究によって,スカラー値関数の場合の所謂「改良Sobolev不等式」をベクトル値関数の場合に拡張,論文はFunkcialaj Ekvaciojに掲載予定である。 5.研究分担者 田村英男(岡山大)は,2つのソレノイド磁場(デルタ型磁場)による散乱において,捕捉現象から実軸近傍に生成されるレゾナンスにAB効果(アハラノフ・ボーム効果)がいかに関与するか解明,成果をAdv.Math.誌(2014)に出版。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
然るべき成果も得たと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
研究費の大部分は,研究課題に係わる研究テーマについて,主に代表者と共同研究者間の研究連絡,研究打ち合わせ旅費,また,代表者の国の内外の関連分野の研究集会,国際会議等に出かけ,研究成果発表,資料・情報収集するための旅費として使用。 特に,7月ストックホルム(スウェーデン)のミッターク・レフラー研究所(Institut Mittag-Leffler)の出かけ,Valentin Zagrebnov教授 (仏エックス・マルセイユ大学II),Hagen Neidthardt博士(独ワイエルシュトラウス応用解析・確率解析研究所)と作用素ノルム指数積公式に関する共同研究を行う。そのための出張旅費として使用する。 昨年(2013),5月仏マルセイユ/リュミニの Centre International de Rencontres Mathematiques,及び,8月の独ワイエルシュトラウス応用解析・確率解析研究所における共同研究の続きである。
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Research Products
(7 results)