2012 Fiscal Year Research-status Report
準線型常微分方程式の漸近解析とそれに基づく楕円型偏微分方程式の漸近解析
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23540196
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
宇佐美 広介 岐阜大学, 工学部, 教授 (90192509)
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Keywords | 楕円型方程式 / 逆問題 / 常微分方程式 |
Research Abstract |
常微分方程式の理論を援用して楕円型方程式の漸近解析を行った.具体的には以下のテーマを扱った: 1.楕円型方程式の重要なクラスの解である「弱減少解」の存在定理をいくつか確立した. 2.準線型楕円型方程式の球対称解の振動解がどういうときに「長さ有限振動」になり,どういうときに「長さ無限振動」になるかを解明した. 3.原子物理学等に現れるトーマス=フェルミ方程式の解の漸近挙動を解析した. 4.準線型方程式の境界値問題に対する逆問題の解の存在を解明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.楕円型方程式の「弱減少解」の存在理論がまだまだ十分に確立できているとはいえない. 2.連携研究者・谷川が提唱した,カラマタ関数のクラスにおける楕円型方程式の解析がまだ不十分である. 3.準線型方程式の境界値問題に関する逆問題も「爆発型境界条件」の場合には既存の結果があまり役立たない.全く新しいアプローチが必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
1.楕円型方程式の弱減少解の存在には今までと異なるアプローチを試す必要がある.変分法や新しいタイプのアプリオリ評価がその候補である. 2.カラマタ関数族は非常に広い関数のクラスでありながら,分かりやすい計算が遂行できる扱いやすい関数のクラスである.このクラスの研究を進め,その応用として楕円型方程式の解析が推進できると考える. 3.準線型方程式の「爆発型境界条件」に対する逆問題の解析には分数階微積分の理論が有効と思われる.その研究を進めて,この問題に再度挑戦するべきである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・8月下旬にプラハで開催される微分方程式の国際研究集会「Equadiff 2013」に参加し,今までの研究成果を報告しそれに関して討論を行う.その旅費として使用する. ・9月頃に本研究のテーマに関連した話題で岡山市で研究集会を開催する.研究成果の報告と,連携研究者等と意見交換を行う.その旅費,招聘旅費,及び資料作成費,会場準備費を支出する. ・岐阜大学で毎月定期的に開催されている研究会「岐阜数理科学セミナー」に当該分野の研究者を招聘し意見交換・情報交換を行う.招聘旅費として使用する.
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Research Products
(6 results)