2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540200
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
藤井 淳一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60135770)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、平均の多変数化にからめて、Palfiaが多様体としての正作用素の測地線となる久保-安藤作用素平均のpathは、一般には、調和・幾何・算術の3種類の平均しかないことを示したが、有名なBergerのホロノミー群の分類に基づく準幾何学的考察なので、現在そのプレプリントを吟味中で、関連する結果はまだ出せていない。 一方、作用素平均の補間性について1編(年度末にacceptされた単著論文が1編)、作用素不等式については海外の学術誌には海外の研究者たちとの共著で2編の結果を出すことができた。そのうち、後者の1編は、前年度報告したJensen作用素不等式の外分点的考察を応用した論文である。 前者の平均の補間性については、2012年11月6日 京都大学数理解析研究所の研究集会2、および、11月25日、本学で開催された作用素論・作用素環研究会で、その結果を発表した。特に前者で、Palfia と交流することができ、彼の新しい結果について知ることができたのは大きな収穫であった。今後の研究に大いに参考になるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在中心となって研究している作用素不等式および作用素平均の幾何学的な研究については、結果としては出せていないが、今後の進展が期待できる Palfia の研究について知ることができたのは収穫ととらえている。 一般的な作用素不等式については、上記にあるように順調にすすんでいるといってよい。しかし、昨年度までよく発表していた日本数学会で発表できなかったのは、少しマイナス部分かと思われるので、次年度は積極的に結果を発表し、多くの方と交流を図りたいと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、初等幾何的考察を含めた多様体としての正作用素(もしくは正定値行列)の幾何学的考察に取り組んでいる。一方で、Palfiaが切り込んだ、一般線形群をユニタリ群で割った等質空間もしくは対称空間として、この多様体の考察を進める方向も模索していきたい。 一方で、様々な作用素不等式についての研究があちこちで進んでおり、その方面でも更なる発展を記していきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はまとめの最終年度なので、仕上げの文献資料収集に約10万、旅費に10万程度かけ、残りの30万は印刷等の消耗品も含めた関連の備品に充てたいと考えている。昨年度導入したドキュメントスキャナー等でのPDF論文データベースの構築はまだなかなか進んでいないので、効率よく作製できる方法を模索中である。最新の機器等で構築の支援ができないか検討中であるが、まだ確定はしていない。
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Research Products
(5 results)