2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540205
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三上 敏夫 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70229657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 直幸 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70452563)
貝瀬 秀裕 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60377778)
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Keywords | 国際研究者交流 |
Research Abstract |
海外協力研究者との共同研究で以下の2つの成果を得た。 (1) 無限次元のHamilton Jacobi方程式の解の長時間漸近挙動の解析: アイデアとしては、確率最適輸送問題の値関数になっている無限次元のHamilton Jacobi方程式の解をMother理論のアイデアを無限次元空間上の変分問題に拡張し、確率最適輸送問題を少し広いクラスの確率測度に関する変分問題と考えたことである。これにより、有限次元のHamilton Jacobi方程式の解の長時間漸近挙動と類似の結果を得た。この結果は、現在、論文にまとめている。今後の課題は、無限次元の弱KAM理論の構築である。 (2) KPZ方程式の解の新しい定義、存在、一意性:最適輸送問題に出てくる2次Wasserstein距離で決まるような関数のあるクラスを試験関数として取ることにより、無限次元の粘性解理論を通して、繰り込みのアイデアによるKPZ方程式の解の新しい定義を与えた。存在と一意性については、共分散汎関数が十分な滑らかさを持っている場合に示すことができた。ここで、重要なアイデアとして、上極限ノルムをある確率測度の列の対数モーメント母関数で近似することである。これは、上極限ノルムの滑らかな近似であり、対数モーメント母関数の凸性により、凸解析の一般論も援用することができた。今後の課題は、共分散汎関数の滑らかさがない場合にこの結果を拡張することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、所属機関の部門長の職にあり、出張が非常に制限され、研究情報の交換等に影響が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
確率最適輸送問題により、KPZ方程式の解の存在と一意性について、特に、最低でも、ノイズがホワイトノイズの場合に、一般的な結果を得る。確率最適輸送問題の最小解の存在定理を通して、調和経路過程の一般化を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
備品設備費:関係図書(30冊×12千円) 360千円 消耗品:パソコン周辺機器 40千円, パソコンソフト購入費 40千円 国内旅費:研究打合せ旅費300千円(京都大学, 東北大学を各々3泊で1回訪問, 大阪大学を3泊で2回訪問), 愛媛大学で行われる日本数学会で, 情報収集及び成果発表80千円(4泊), 外国旅費:研究打合せおよび成果発表432,040円(BerkeleyのMSRIのワークショップに1週間参加した後、カンサス大学Jin Feng氏と1週間研究打ち合わせ)
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Research Products
(2 results)