2011 Fiscal Year Research-status Report
古典系および量子系における種々のエントロピーに関連した不等式についての研究
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23540208
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳 研二郎 山口大学, 理工学研究科, 教授 (90108267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 宏 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (30200538)
岡田 真理 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (40201389)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流・中国 / 不確定性関係 / Wigner-Yanase歪情報量 / トレース不等式 / 量子情報理論 |
Research Abstract |
Wigner-Yanase skew information は 1963年に密度作用素と物理量の非可換性の度合い測る量として提起されて以降、その性質が調べられてきた。近年 Wigner-Yanase skew information やその 1 パラメータ拡張の Wigner-Yanase-Dyson skew information が quantum Fisher information の特別な場合に関連していることが知られてきた。またすべての quantum Fisher information の族は作用素単調函数のある族によって特徴化されることも分かってきた。この研究では Wigner-Yanase skew information に関する不確定性関係の様々な拡張や一般化を与えた。特に作用素単調函数を用いた metric adjusted skew information や metric adjusted correlation measure などの不確定性関係を統一的にまとめた。metric adjusted skew information に関しては Heisenberg の不確定性関係のさらなる一般化に相当し、 metric adjusted correlation measure に関しては Schrodinger の不確定性関係のさらなる一般化に相当している。またこれらの結果を得るための十分条件については、その量子力学的な意味付け等が今後の課題として残されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた Wigner-Yanase skew information に関する不確定性関係をより一般化した metric adjusted skew information や metric adjuted correlation measure の満たす不確定性関係が得られたから。
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Strategy for Future Research Activity |
不確定性関係のさらなる一般化を試みる。また quantum Fisher information に関するトレース不等式を様々な観点から導く。今までのいくつかの未解決問題の解明に向けて様々な試みを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
量子情報理論関連図書に 8 万円、消耗品費に 2 万円、旅費に 95 万円、謝金その他に 15 万円 の計 120 万円を使用する計画である。分担者の柳原宏氏には 13 万円, 岡田真理氏には 12 万円をそれぞれ当てている。
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Research Products
(16 results)