2012 Fiscal Year Research-status Report
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23540214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 正章 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (30030787)
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Keywords | 超幾何微分方程式 / 黒写像 / 燕尾 / 超平面配置 |
Research Abstract |
(1) 双曲的Schwarz写像。Gaussの超幾何微分方程式の二つの独立解の比で定義される写像を(創始者の名前を取って)黒写像と言い、方程式の径数が実数の時は黒氏による古典的研究がある。この時の黒写像の的は理満球面である。一方方程式の測多価群は2行2列の複素一般線形群である、この群が自然に働くのは理満球面でなく内部の3次元又曲空間である;勿論その理想境界の理満球面にも働くが。正しい黒写像の的は3次元又曲空間で在るべきだとの考えから、又曲黒写像を以下のように定義した:2つの独立解とそれらの一階の微分を並べて2行2列の行列を作り、それとそれの転置複素共役行列の積は正値得る水戸行列であり、それを3次元又曲空間の点と考える。こうして出来た又曲黒写像は以下に述べるように元祖栗写像を超えたよいものであることが分かった。方程式の径数が複素数であっても測多価群が離散群ならば像は閉部分多様体になる。方程式の(3点の)特異点以外にも或る曲線に沿って像は特異点(尖曲線)を有し所々に燕尾を持つ。合流型にしても尚像曲面は幾何的に明快な意味を持つ。像曲面上の点から測地的法線に沿って理想境界に達すれば、一方は元祖懲り写像を回復し、他方(裏黒写像と名付けた)も関数論的に興味深い性質を持つ。 (2)実射影空間内の一般の位置にある超平面配置により切り分けられる部屋。次元の数より3多い数の超平面のとき、配置は組み合わせ的に一意であり、この場合を詳しく調べ始めた。特に3次元の時は切り分けられた部屋がどう配置されているかが文章で記述できるくらい理解が深まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(研究目的1)超幾何積分の基礎付け:捩(コ)ホモロジー群の交叉理論。この理論を使って多変数超幾何関数の研究が最近発展している。 (研究目的2)実射影空間内の超平面配置の補集合の配列:舌寝配置の時には組み合わせ的に有効な表示法を発見。空間の次元より3多い数の超平面の場合が特に興味あり、空間次元3の時は相当よく分かった。 (研究目的3)双曲的黒写像:方程式の3点の特異点以外の特異点はどこにどのように表れるか、それが径数を変化させたときにどのように振る舞うか。元祖黒写像、又黒写像、裏黒写像を繋ぐ平行曲面族。方程式の合流により像はどう変化するか。究極的合流方程式の絵有のときを特に詳しく調べた(酢と楠現象の幾何学化)。 (研究目的4) 離散曲面・離散正則関数:絵有方程式の又黒写像の離散類似を構成。この過程で離散正則関数の重要さが認識された。 (研究目的7)一寸来群。超幾何方程式の3つの特異点での指数差が純虚数のとき測多価群が週数2の一寸来群になることを発見。その結果と一寸来群に関する保形関数の無限積表示から、古典的楕円的保形関数である乱舞だ関数の新しい無限積表示(絶対収束はしない)を発見。
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Strategy for Future Research Activity |
(研究目的1)超幾何積分の基礎付け:捩(コ)ホモロジー群の交叉理論。超平面だけでなく2次以上の超子曲面をで分岐するばあにも基礎理論を作り典型例を扱う。 (研究目的2)実射影空間内の超平面配置の補集合の配列:空間の次元より3多い数の超平面の場合が特に空間次元3の時をもっと分かり、高次元の時に偶数次元、奇数次元のそれぞれで、共通の事がどこまで言えるかを考える。 (研究目的3)双曲的黒写像:測高価群が白頭絡みの補集合の基本群の時の像を数年前に研究したが挫折している、これを何とかしたい。 (研究目的4) 離散曲面・離散正則関数:絵有方程式の又黒写像の離散類似を構成。この過程で離散正則関数の重要さが認識された。 (研究目的7)一寸来群。超幾何方程式の3つの特異点での指数差が実数および純虚数のとき測多価群と黒写像の幾何的銅像を調べたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)超平面配置の共同研究者であるBernard Morinを巴里に訪ねる。 (2)Istanbulで11月に行われる日本・土耳古幾何研究集会に出かける;主催者の一人に選ばれたので、行かざるを得ない。 (3)来年1月にHeckmannの還暦記念研究集会で講演を頼まれたので、出かける;向うから旅費が出ないときには科研費を使う。 (4)共同研究者・研究打ち合わせに、北大、京大、琉球大等に出かける。
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Research Products
(6 results)