2011 Fiscal Year Research-status Report
外部領域におけるヘルムホルツ方程式のリゾルベント評価とその散乱問題への応用
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23540222
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
中澤 秀夫 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (80383371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 光輝 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70300548)
渡邊 一雄 学習院大学, 理学部, 助教 (90260851)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 数学的散乱理論 / 偏微分方程式論 / 非自己共役スペクトル解析 / リゾルベント評価式 / 外部問題 / Hardy型不等式 / 弾性波動方程式 / スト-クス方程式 |
Research Abstract |
代表者はヘルムホルツ方程式や定常シュレディンガー方程式のリゾルベント評価式を研究した。従来の証明法を見直すことで、これまでは非負として単に落としていた項を残し、また近年のMochizukiによる不等式の証明法を見直すことで全ての空間次元に対してその成立が証明できた放射条件に関連するHardy型の不等式を有効利用することによって従来未解明であった全空間及び星状な障害物の外部領域におけるヘルムホルツ方程式及び定常シュレディンガー方程式のリゾルベント評価式を確立することが出来た。この応用として、空間2次元における対応する発展問題(シュレディンガー方程式、相対論的シュレディンガー方程式、クラインゴルドン方程式、波動方程式)の解の平滑化評価式や、また1966年にMizohata-Mochizukiによって証明されて以来進展のなかった摩擦項を伴う波動方程式に対する極限振幅の原理を空間の形状及び次元並びに摩擦項の係数関数の遠方での減衰度の条件を緩和して示すことが出来た。また分担者たちは弾性波動方程式の解の漸近的な性質、多様体上のストークス方程式の解の正則性等の研究を実行し、其々の分野で未解決であった問題を解決し進展させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各人の努力によりこれまでの研究の進展度はおおむね予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
代表者の研究に関しては、2次元外部問題の他の様々な問題への応用を目指す。特に波動方程式の解の局所エネルギー減衰評価の見直しを考察する。また、昔Iwasakiが論じた、摩擦項を伴う波動方程式に対する極限振幅の原理の収束のレートに関する結果を見直し、我々の設定でどういう結論がもたらされるのかを考察する。分担者の研究に関しては、まず弾性波動方程式の漸近的性質に関して、まだ評価できていない場合を考察して、最終的な結論を得るべく研究を進めていく。また、多様体上のストークス方程式の解の正則性の問題に絡み、問題の一般化、条件の緩和等を考察し、併せてこれら結果の様々な未解決問題への応用を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
代表者、分担者ともに、これまでに得られた研究結果を論文にまとめ投稿する。また国内外の様々な関連研究集会に参加し、アナウンスをし、世界各国の関連研究者と質疑応答することで更に多くのみ解決問題に取り組む。これらの研究活動に次年度の研究費を使用する予定である。
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Research Products
(14 results)