2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540224
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
青柳 美輝 日本大学, 理工学部, 助教 (90338434)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | log canonical threshold / 学習理論 / 学習係数 / 特異点解消 |
Research Abstract |
Vandermonde matrix型特異点のlog canonical thresholdの研究を行った.これらの特異点は高次元の多様体に定義され,ニュートン図形退化,孤立していないなどの特徴がある.今日の実世界のデータに比較的頻繁に応用される,混合正規分布,三層ニューラルネットワークモデルの学習係数を与えるものである.混合二項分布などにも現れ,異なるモデルから共通の特異性が現れたことから,学習理論において本質的ではないかと考えられている.この研究では,帰納的に行う特異点解消の中心となる多様体の適当な選択によってバウンドを得た.以前得られた結果より,条件によっては,かなり改良され真値に近づいた.この結果は,論文"Learning coefficient of generalization error in Bayesian estimation and Vandermonde matrix type singularity, Neural Computation"に掲載されることになっている.また,平成23年12月アメリカPalo Alto市AIM Research Conference Centerで開かれた国際会議"Singular learning theory: connecting algebraic geometry and model selection in statistics"にて,この結果について講演をさせていただき,有益な多くの意見をいただいた.次のステップにつなげていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Vandermonde matrix型特異点のlog canonical thresholdの真値を得たかったが,まだバウンドにとどまっている.特異点解消において,高次の項の影響を精密に調べ,新たな方法を模索したい.
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Strategy for Future Research Activity |
Vandermonde matrix 型特異点に限らず,例えば,広義のスピンモデルの場合などを含めた,もっと一般的な学習モデルについて考察していきたい.特に,先に述べた23年12月の会議でRestricted Boltzmann Machineの場合について活発に討論が行われた.これを今後の研究課題に加えたい.また,M. Mustataにより証明されたJet Scheme とlog canonical threshold との関係が,実数体(標数0)でどのように適用できるかについて考察し,新たな手段を開拓したい.同様にMustataにより,log canonical thresholdの下限がmultiplicityを用いて得られているが,あまりtightではないようである.このような不等式をさらに精密に表現できるような一般的な関係を求めたい.これらの結果を実際にデータ解析に応用したい.特に我々が得た理論値を応用した結果が近年Dortonによって発表された.この方策をさらに色々なモデルに適用し,最適なモデル選択法への応用,効率のよい機械学習の構成法について考察したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議Algebraic Statistics in the Alleghenies: Conference at Penn State in June 2012での講演のための旅費として使用する予定である.また会議用の軽めのノートパソコンを購入する予定である.国内外の会議・研究集会に参加し,研究討論を行いたい.
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