2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540248
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
壁谷 喜継 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70252757)
|
Keywords | 時間大域挙動 / ホットスポット / 正値定常解 / 劣臨界シュレディンガー半群 |
Research Abstract |
本年度は,ポテンシャル関数の遠方での挙動と放物型方程式に対する解の時間大域挙動との関係について,特に定常問題の解の挙動を基に解明を行った.ポテンシャル関数が「劣臨界」の場合を主に検討し,解の時間減衰について,正確なオーダーを導くことができた.また,「臨界」の場合は,その名の通り,臨界であるため,正確なオーダーまでは導けなかったが,「このオーダーかそれより速く解が減衰する」ということは示すことができた.これらについては,国際学術雑誌である, Journal of Functional Analysis と Springer-Verlag 社発行の論文集で印刷公表を行った. また,双曲空間上での時間発展問題の解決のための基礎となる,定常問題の解の漸近挙動について検討した.ユークリッド空間上の問題とどのように異なるのかを念頭において研究を行い,Fujita 型の爆発問題と同じ指数より大きい非線形べきの場合の,原点で特異点をもち,遠方での減衰が遅い解の一意性について研究を行った.この成果は,国際学術雑誌である,Communications on Pure and Applied Analysis に投稿し,査読者の指示に従い改訂を行って,掲載可否の判断を待っている状況である.また,この手法を用いて,ポテンシャル項と移流項をもつ時間発展問題の解の時間大域挙動についても,現在研究を続けている.ポテンシャル項と移流の効果が相反する場合,どちらがより強く効くのかが分かりつつある.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポテンシャル付きの熱方程式の解の挙動は,劣ハーディ臨界指数の場合で劣臨界シュレディンガー熱半群の場合,定常解のどのような性質が一番反映されるかが,Journal of Functional Analysis 掲載の論文により解明された.また,劣ハーディ臨界指数の場合でかつ臨界シュレディンガー熱半群に関しては,時間減衰評価に関する L^p-L^q 評価についても,Springer-Verlag の単行本内にて報告することができた.論文投稿まで至ってはいないが,ポテンシャル項と移流項を伴った熱方程式の解の挙動についても,どちらの効果がより強く出るのかが名悪になってきており,原稿を作成中である.さらに,基礎となる空間がユークリッド空間ではなく,負曲率をもった双曲空間の場合も現在検討を続けており,基礎となる,定常問題の解の挙動については解明することができ,その結果は査読付き国際会議論文集の中で発表予定となっている.以上により,研究は順調に進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年は,ハーディ臨界指数場合でかつ劣臨界シュレディンガーの性質を調べる.劣臨界の場合は,不等式評価に余裕があったため,臨界と比べると容易であったが,臨界の場合は別の手法を用いる必要がある.別方法を確立することをまず推進する.また,移流項や,基礎となる空間がユークリッド空間ではない場合について,現在まで分かった定常問題の解の性質を基に時間発展問題の解の挙動について検討していく.さらに,ポテンシャル項が符号変化を起こす場合についても定常解の構造を解明した上で,時間発展問題についても検討を加える.このため,最新の書籍50冊ほど選び購入するほか,国内外の研究集会に参加して発表・討論を通じて課題の解決へと進めていく.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
|
Research Products
(5 results)