2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540253
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 孝明 京都大学, 情報学研究科, 名誉教授 (70026110)
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Keywords | 大域的解析 / 非線形偏微分方程式 / 力学系 / 熱対流問題 / 計算機援用解析 |
Research Abstract |
圧縮性粘性熱伝導性を持つ一般の流体の熱対流問題を解析した。 重力の下で水平な帯状領域をみたす一般の流体を下から一様に熱するときの流体運動の問題である。 Spiegel に従って無次元化すると Rayleigh 数と、 L = (Tu + Tl)/(beta x d) が主たるパラメーターとなる。 Tu , Tl は上下の水平な境界での温度、 beta は温度勾配、 d は領域の厚さである。平衡解は熱伝導解であり、すべてのパラメーター領域で存在しているが、 Rayleigh 数を増大させる(下からの熱を増加させる)とその臨界 Rayleigh 数からそれは不安定化してパターン形成(ロール型、六角形型、混合型などの cell 状の定常渦)がおこる。これを L >= L1 に対して一様に証明した。更に、 L を大きくした極限では、いわゆる Oberbeck-Boussinesq 方程式の cell 状の定常解に収束していることを示した。未知関数として Oberbeck-Boussinesq 方程式にあわせ、圧力、速度と温度を取り、適当な scale 変換を用い、質量保存則の強い非線形性を克服する事によって得られた。圧縮性流体の熱対流問題の分岐現象について、ある極限で”非圧縮性”流体の熱対流問題の Oberbeck-Boussinesq 方程式の分岐解が得られる事、即ち、後者の方程式が上記の意味での近似になっている事の正当性を示した事になる。 非圧縮性流体の安定な定常解を、ある人工的”圧縮性”を導入した方程式の時間無限大での定常解として求める Chorin の方法の正当性を計算機援用解析を含めて調べ始めた。 上下とも stress free の境界条件を持つ Oberbeck-Boussinesq 方程式の熱対流問題の定常分岐解への正当性は示せた。
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Research Products
(2 results)