2012 Fiscal Year Research-status Report
非線形拡散方程式における界面ダイナミクスと進行波の大域的解構造の研究
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23540254
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
柳下 浩紀 京都産業大学, 理学部, 教授 (80349828)
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Keywords | 非線形拡散系 |
Research Abstract |
非線形の拡散現象を記述する放物型方程式に関して、その理解に重要な対象である界面と進行波のダイナミクスについて研究を行った。非線形系の拡散現象は、物理学、化学、生物学、さらに近年は金融工学上のモデル等、多くの分野で現れる。それらの中には、急激な状態変化が狭い領域に集中する界面と呼ばれる局在構造が現れて、この界面の示す振る舞いを理解することが非線形現象を解明する上での鍵になることが数多くある。単独、あるいは連立の非線形拡散方程式で記述される拡散現象では、界面の動力学を支配する方程式が、形式的な漸近展開によって、空間内の曲面の発展方程式として導かれている。これらの方程式は、微分幾何学的には広い意味で平均曲率流方程式と呼ばれるものとなる。拡散現象が単独の2階放物型方程式で記述されている場合には、導出の数学的正当化がすでに多くの研究者の努力の結果、ほぼ満足のいく形で成功している。本年度は特に、昨年度の研究結果を引き継いで、非線形拡散方程式系の研究の基礎をなす線形の熱方程式についての研究を行った。昨年度においては、KPP‐フィッシャー方程式やある臨界指数以上の指数をもつ藤田型の半線形熱方程式で報告されているような不規則長時間挙動が、1次元の線形熱方程式についてはスケーリングされた変数で解を観察することにより、その詳細が明らかになるという予想を得たが、本年度はこの予想を証明すると同時に、多次元への拡張を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の通りに進んでいる訳ではないが、非線形拡散方程式系の解の挙動を理解するための基礎をなす線形の熱方程式についての理解が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
多次元の線形熱方程式の解の不規則長時間挙動が、スケーリングされた変数で解を観察することにより、その詳細が明らかになることの証明を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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