2011 Fiscal Year Research-status Report
特異性を持つ形状最適設計問題及び破壊での変分理論構築と工学への応用に関する研究
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23540258
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
大塚 厚二 広島国際学院大学, 情報学部, 教授 (30141683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畔上 秀幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (70175876)
木村 正人 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70263358)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 変分理論 / 形状最適化問題 / 破壊現象 / 一般J積分 / 有限要素解析システムFreeFem++ / 「国際情報交流」フランス |
Research Abstract |
木村氏(分担者)との共著による一般J積分での主定理の拡張``Differentiability of potential energies with a parameter and shape sensitivity analysis for nonlinear case: the p-Poisson problem''がJapan Jour. Ind. Appl. Math.29 (2012)から出版された. 定理は,バナッハ空間にデザイン変数を持つエネルギー汎関数のデザインに関するFrechet微分を導くもので,特にデザイン変数が領域摂動を表す写像の場合が一般J積分理論での主定理に相当し,理論を非線形問題に拡張する重要な役割となる.日本数学会では「特異性をもつ形状最適設計問題での変分理論」(9月27日),数理解析研「科学技術計算における理論と応用の新展開」(10月27日)「混合境界条件における形状最適設計問題の解法」として講演し,分担者の畔上氏が日本応用数理学会で「形状最適化問題に対する H1 勾配法の見直し」という題名で数値計算法について中間結果を述べた. 研究集会としてはワークショップCoMFoS11を2011年10月9日~10日(広島国際学院大学)を開催し,海外からの講演者Adrian Muntean(Eindhoven Univ.Tech.,Netherlands)と Blaise Bourdin(Louisiana State Univ., USA)による講演を含む17件の講演があった. また,木村氏が中心となってワークショップ「連続体力学の現象と数理II」 (九州大学マス・フォア・インダストリ研究所,2012年2月20日~21日)を開催し, 9件の講演があった.なお,FreeFem++については本を執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文Differentiability of potential energies with a parameter and shape sensitivity analysis for nonlinear case: the p-Poisson problemが出版されたので,本研究に基づく一般J積分理論の非線形問題への拡張が可能となった.一般J積分理論による形状最適化問題への応用に関して,畔上教授による数値計算法についても結果を得ている.テスト問題であるカンチレバーについて,従来の結果と異なる部分があるので詳しい検証が必要となっている. 研究集会についても,1995年から続けている研究集会CoMFoS(破壊現象の数理とその周辺)が11回目を,本科研費及び平成23年度文部科学省「数学・数理科学と諸科学・産業との連携研究ワークショップ」の支援を受けて開催できた.木村氏が中心となっている「連続体力学の現象と数理」も第2回を迎えることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
大学では,数学に関する授業は教職向けの「幾何学」だけで,それ以外は卒業研究を含めてWeb関連とWebアプリケーションの開発が主である.そのため,授業及び日常業務のすべてを自作システムMaKR「数理貯蔵庫」で管理をしている.これは,日本数学会での提言「我が国の数学力向上を目指す」(平成18年9月15日)における(d) 数学と諸分野との交流のための仕組みの構築において「自然に,かつ日常的に諸分野との交流を持てるような環境を用意し,モティベーションを高める方策を取る必要がある.」に対する申請者なりの環境づくりである. 数理貯蔵庫は申請者のノートパソコンにあり,非公開の個人データから公開サイト「連続体力学の数理」(comfos.org)及び個人サイト(otlab.jp)まで大量のデータとなり,数理データに触れる機会が減っている.今後,すべてをotlab.jpに集め,非公開データとの連携を図るようシステムを変更している.これにより,本研究成果の公表が促進されると期待している. ICTAM2012 (International Union of Theoretical and Applied Mechanics)において一般J積分の形状最適化問題への適用を講演する予定にしており,研究集会 CoMFoS12 を10月に電気通信大学で海外からの講演者1人~2人を招聘して開催する予定にしている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は25万円の繰越により大塚が90万円,そして分担金として畔上氏15万円,木村氏30万円が使用可能である. 大塚はICTAM2012(中国北京)の費用25万円(参加費(CNY 5000),航空運賃6万円,宿泊費6日分),CoMFoS12での海外からの招聘1人分費用30万円,CoMFoS12参加者補助10万円,研究 打ち合わせ等旅費15万円,そして雑費等10万円を予定している.分担金,畔上氏15万円は旅費等に,木村氏30万円はワークショップ等の支援に使われる予定である.
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Research Products
(7 results)