2012 Fiscal Year Research-status Report
特異性を持つ形状最適設計問題及び破壊での変分理論構築と工学への応用に関する研究
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23540258
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
大塚 厚二 広島国際学院大学, 情報デザイン学部, 教授 (30141683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畔上 秀幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (70175876)
木村 正人 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70263358)
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Keywords | 最適形状設計問題 / H1勾配法 / 一般J積分 / 変分法 / 理論研究 / 数値解析 |
Research Abstract |
片持ち梁の形状最適化については,フランス・エコールポリテクのG.Allaire教授等の結果を越すことが確認できた。特に,偏微分方程式境界値問題が特異項を含んでいても,特別の考慮が不要であることが,数値計算によっても確認された。本研究テーマは,統計数理研究所が中核機関となっている「数学協働プログラム」において採択され,名古屋大学においてワークショップ「形状最適化の数理と製品設計への応用」を開催した。 他分野との研究交流において,パリ第6大学J.L.Lions研究所のF.Hecht教授が中心となっているFreeFem++が大きく役立つと考え,理解を深めるためF.Hecht教授を日本に招聘し,最近の進展を講演いただいた。それらをまとめて,「有限要素法で学ぶ現象と数理 --- FreeFem++ 数理思考プログラミング」を執筆中で,9月ごろに共立出版から発行される予定である。 業績等としては次がある。北京(8/19~8/24)で開催されたThe 23rd International Congress of Theoretical and Applied Mechanicsにおいて混合境界値問題における特異点の扱い方について講演した。名古屋大学におけるワークショップで講義ノート(111ページ)を配布した。筆者が主査を務めている日本応用数理学会研究部会「連続体力学の数理」によるワークショップCoMFoS12を東京電気通信大学において10月6日(土)~10月8日(月)に開催し,参加者22人,講演件数14であった。木村氏(分担者)が2月18日・19日と「連続体力学の現象と数理III」を九州大学西新プラザで開催し,講演数が9件であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
形状最適設計問題での畔上法を用いた有限要素法による離散化について理論研究を行う件については,設計コストを「エネルギー」及び「コンプライアンス」にした場合の片持ち梁における形状最適化ついては,応力集中部分を扱えるなど既存の数値計算結果を越えた。数値計算で用いるFreeFem++について開発リーダのF.Hecht教授(パリ第6大学)を招聘するなどにより理解が深まり,分担者の畔上教授ともソースコードレベルで研究が出来る体制となった。 筆者の研究の源が他分野との協働にあることから,他分野との協働に力を注いでいる関係で,純数学的な研究は停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
今までは,畔上教授に筆者による一般J積分法を理解していただくと同時に,畔上教授が開発してきたプログラムを理解することに時間を使ってきた。漠然とお互いの研究内容を理解していた段階から,数値計算において協働できる体制づくりまでに思いの外,時間がかかった。今後は,具体的な問題に本手法を適用すると共に,一般J積分+畔上法を破壊力学に利用する方法を考えること,非線形問題への適用を検討するなど残った課題に取り組みたい。 なお,数学研究と他分野との協働を促進するツールとしてのFreeFem++についても,その方法をWebなどを通じて公開していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
日本応用数理学会 研究部会「連続体力学の数理」が主催するワークショップ CoMFoS13を木村教授(九州大学から金沢大学に異動)が赴任している金沢大学で開催する。開催に必要な費用を30万円,海外から当該研究に関係する研究者を招聘する費用を30万円計上する。残りは,筆者が共同研究,研究発表,そして研究に必要な文献等を購入するための費用に充てたい。
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Research Products
(20 results)