2013 Fiscal Year Annual Research Report
特異性を持つ形状最適設計問題及び破壊での変分理論構築と工学への応用に関する研究
Project/Area Number |
23540258
|
Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
大塚 厚二 広島国際学院大学, 総合教育センター, 教授 (30141683)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畔上 秀幸 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (70175876)
木村 正人 金沢大学, 数物科学系, 教授 (70263358)
|
Keywords | 変分法 / 形状最適化問題 / 破壊現象 / 一般J積分 / 有限要素法 / 特異性を持つ楕円型境界値問題 / 関数方程式論 / 数理指向プログラミング |
Research Abstract |
●形状最適化問題における本研究での結果は次の通り。 ①破壊力学でのJ積分を楕円型境界値問題での境界摂動感度解析に拡張した一般J積分法が,畔上教授(研究分担者)による最適形状探索法と連動することで形状最適化問題を解く有効な方法であることが理論的に確認した。②本手法を工学的諸問題に適用するため,面積一定の条件下での弾性板におけるエネルギー最小化問題,平均コンプライアンス最小化問題について数値計算法を確立した。③本手法が,混合境界問題など特異性をもつ条件下での数値計算法において有効であることが数値的に検証された。④最適形状最小化問題に,報告者が関係している数理指向プログラミング言語FreeFem++が有効であることを検証した。 ●整数論などでは他分野との連携において,数学的記述を可能とするMathematicaなどの数式処理が有効である。他方,偏微分方程式論と相性の良い有限要素法では,数理アルゴリズムをブラックボックス化する傾向にあり,数学者のツールとすることは難しい。報告者は,数学者と工学者が協働するには数理構造に基づくプログラミング言語が必須であり,そのようなものを「数理指向プログラミング言語」と呼んでいる。 パリ第6大学のO.Pironneau教授,F.Hecht教授が開発しているFreeFem++を数理指向プログラミング言語と考え,著書「有限要素法で学ぶ現象と数理 ―FreeFem++数理思考プログラミング―」(共立出版,2014年)を出版した。ポアソン方程式から形状最適化問題を含む連続体力学や反応拡散問題に及ぶ50近い例題を実行可能な形で240ページに納めることができたのは,数理アルゴリズムを記述できる数理指向プログラミングの有効性を示すものと思っている。 数理指向プログラミングの考えを普及させる内容を,日本応用数理学会研究部会「連続体力学の数理」のサイトcomfos.org内に,本書のサポートページの形で展開していく。
|
Research Products
(17 results)