2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540261
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本原 顕太郎 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90343102)
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Keywords | 近赤外線 / 面分光 / イメージスライサ / 超精密加工 |
Research Abstract |
拡大光学系およびイメージスライサIFU部からなる、面分光光学系の解を得、それをもとに詳細設計を完了することができた。この光学系は、SWIMSに組み込みすばる望遠鏡に搭載した際の視野が14秒角×10.4秒角であり、これを0.4秒角幅で26スライスに分割したものとなる。 拡大光学系は2枚の色消しレンズと1枚の凹面鏡からなり、望遠鏡焦点を2.6倍に拡大してスライスミラーに結像する。スライスミラーでのスケールは0.4秒角を520μmとした。ここで26スライスに分割された視野は瞳ミラー及びスリットミラーにより、SWIMS光学系の焦点部でスリットとして結像される。最終結像性能を達成するため、瞳ミラー及びスリットミラーの外側13チャンネルは非球面である楕円面を選択した。これにより、SWIMSの検出器面での結像性能はIFUの視野全面にわたって0.3秒角以下とシーイングリミットの観測で問題ないレベルを達成することができた。 これと並行してスライスミラー、瞳ミラー及びスリットミラーの加工方法についても検討を進めた。まず、平刃を用いた超精密切削加工によりスライスミラーの試作を行い、形状については仕様を達成することができることを確認した。しかしながら、この方法では非球面の加工ができないため、それ以外の方法の検討を行った。その結果、5軸制御の超精密加工機に開き角20度、先端20ミクロンの円形刃を取り付けて、1μm送りの加工を行うことにより、スライスミラーを含めた自由曲面の製作を要求する表面粗さ(10nm)で達成することが可能であるとの結論を得た。
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